EPISODE17 2on1!
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青い機体がビームの雨を降らし、黒い機体がその得物を振るう。織斑先生の発案により開始された模擬戦は今5分を経過している。
「クッ・・・・!?」
「こいつ、なんで当たんないのよォ!?」
今のところ、特筆すべきコンビネーションは二人に表れていない。だが近づけば鈴の青竜刀が、距離を置けばセシリアの射撃がといった具合になかなか一手をうてない。こちらはハンデとしてブラスターユニットの使用不可と山田先生の近接武装使用不可。鈴に間合いに入られたら山田先生に攻撃オプションはほぼない。
一度状況を整理しよう。
まずは味方の戦力把握。山田先生の駆る機体は世界シェア第三位を誇り、この学園の訓練機としても多く使用されるデュノア社製の第二世代機、“ラファール・リヴァイブ”。そのカスタム機だ。手数はおおいがその全てが射撃に限定されており、近接武装はあってもないものと考えよう。山田先生の腕前は申し分ない。冷静に攻撃を回避、相殺してそのレンジや状況にあったウェポンセレクトをしている。さすがは学園教師といったところだ。
次に敵戦力。セシリアに関しては訓練を頻繁にやっているから彼女の癖や機体の動きなどは全て把握している。鈴に関しては映像でしか見たことないものの、前の代表対抗戦である程度見ている。武装もまたしかり。
問題は、このふたりのコンビネーションなんだが・・・・
「ちょっとセシリア!あんたちゃんと狙って撃ってんでしょうね!?さっきからよけられすぎなのよ!」
「鈴さんこそ、どこを狙って振り回しておりますの!?」
口げんかがさっきから絶えない。しかも悪化してきている。油断は禁物だが――――――
「先生、そろそろ決めます。僕が撃った直後に指定タイミングでライフルを撃ってください」
「・・・・わかりました」
理解してくれたようで、僕はヴァリスを撃つ。鈴とセシリアがそれに気づいてとっさに回避行動をとる。この反応速度はさすが現役代表候補生といったところか。完全に不意をついたはずの攻撃ほ躱すとは。
でも、動きは完全に予測通り。そこにあわせて山田先生の攻撃が撃ち込まれ、二人は動きをなくしていく。そして――――――
「きゃ!?」
ふたりが背中合わせにぶつかる。今の鈴とセシリアなら、こうなれば互いに言い争いを始める。これも完全に予測通りで、僕らのことを意識の外に追いやって目の前にいる味方に怒声を飛ばす。
「あんたね、ちょっとはまともにできないわけ!?」
「鈴さんこそ!まんまとライさんの策略にのせられて動きすぎです!」
セシリア、気づいてたなら報告しようよ・・・・。
そう思いながらMVSを両手に持ち、斬る。武装を無効化し、蹴り飛ばして二機は地面に激
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