暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
11.第三層フロアボス攻略会議
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 俺たち四人が迷宮区最寄りの村《ペクタ》に到着してから二日後。
 今日はついに、《第三層迷宮区最上階のフロアボス攻略会議》が行われる。会議は午後三時ちょうどかららしく、あと三十分に控えた今現在、ペクタ村の中央広場には数十名のプレイヤーたちが集まっていた。この広場には中央にぽつんと小さな井戸があるだけで、長椅子ベンチすらない。プレイヤーたちは各々広場の外周に面する場所にたむろっていた。何故か誰も中央近くに寄ろうとはしない。まるでその場所に来る者は既に決まっているかのように。
 俺たちも周りのプレイヤーと同じように、広場の外周近くにある木のひとつに寄り添い、会議の時間が来るのを待っていた。

「ど、ドキドキしますね」

 ルネリーが期待と不安と興奮が入り混じったといった様子で俺たちに言ってくる。

「こんなにいっぱいのプレイヤーが一ヶ所に集まるのを見るのは初日以来初めてッスからね」

 チマもそわそわと視線を彷徨わせている。

「……この場にいる全員が、ボス戦に参加するんですよね……」

 レイアは堅い顔をしている。恐らくこの大人数での戦闘を想像したのだろう。一ヶ月前に体験した大規模戦闘レイドの三倍以上の人数が一つ所で戦う。以前よりも、より凄惨になるだろうことは想像に難かたくない。

「……レイア」
「え、はい……?」
「逆に考えろ。これほどの大人数で戦うんだ。早々危険に陥ることもないだろう」
「あ……そう、ですね。…………ありがとうございます」

 上手く元気づけることが出来たのかは解らないが、此方に向けて小さく微笑むレイアに、少し安心する。だが言葉にはしないが、今言ったことはまた逆の意味にもなるだろうことは、きっと俺たちの誰もが思っていた。

 ――これだけの大人数で戦わなければ、ボス戦は勝てないのか……と。







「あと十分ッスかぁ……。どんな感じなんスかねっ、ボス戦ってのは!」

 チマがシステムウインドウの時刻表示を見ながら声を弾ませる。緊張し過ぎるのも問題だが、俺としては彼女にはもう少し緊張感を持って貰いたいものだ。

「――失礼だが」

 と、何となしの雑談をしていた俺たちに声をかけてきた者が居た。

「もしかして、君たちは《こういうところ》は初めてなのかね?」
「……ほへ?」

 俺たち四人が同時に顔を向けた先には、一人の男性が立っていた。

「……っ」

 思わず俺は息を呑む。
 別に目の前の男性が異様な格好をしている訳ではないが、彼の真鍮の瞳に僅かに気圧された。まるで悟りを開いた者のような全てを包みうる雰囲気を放つ双眸。人が人なら安心感を覚えそうなその雰囲気だが……俺は逆に、畏敬に似た何かを感じたような気がした。

「は、はい。まあ、そう
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