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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
第7章:過去から未来への歴史
第2話:国士無双
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のは当然の事……リュカが苦労するのは不自然な事! 貴女(シンシア)が不満に思うのは解るけど、口に出して言う事じゃないわよ、お嬢ちゃん」

嫌味っぽく“お嬢ちゃん”と言ったけど、彼女はエルフなのだし私より年上かもしれない。
“おばあちゃん”の方が妥当だったかな?
その方がシンシアを怒らせる事が出来たかしら?
喧嘩をしたいわけじゃないけど、口論するなら相手を怒らせるのが我が家の常套手段だからね。

「でも神様がこの時代に送ったのだから、リュカさんはその力をもっと活用するべきよ! シン達の手伝いをもっとしたって悪い事じゃないわよ!」
私が彼女の立場だったら、やはり同じ事を思ったでしょう。
大好きな人の苦労が少しでも軽減させられるのなら、その力を持ってる者は発揮させるべきだと……

「“手伝う”って言うけど……貴女達の言い方だと、リュカに全部押し付けようと聞こえるんだけど、それが“手伝う”って意味?」
「そ、そんなことは……ない……わよ」

「そうかしら? “手伝う”ってのはね、力量が大幅に離れてない者同士が、お互いに協力し合う事なのよ。10匹のスライムが出てきたら、2人で5匹づつ……力量差があれば1〜2匹の誤差は生じるけど、一緒に同じ苦労をする事なのよ。リュカとシン君の力量差は、天空城の天辺から魔界の奥底以上の差があるの……これだと手伝うどころか、リュカだけの力で物事が解決してしまうわ! ほら……結局リュカに全部押し付けるのと同じじゃない」

「だけど……神様が……」
「あのヒゲメガネが何を考えてたのかは解らないけど、貴女達の時代の事は貴女達が解決するべきよ。便利な人間が居るからって頼るのは間違ってるわ! 私……間違ってるかしら?」

「……じゃぁ……何で神様はリュカさんをこの時代に送ったの?」
「多分……保険……かな? シン君だけでは頼りないから、身を守ってくれるエキスパートが必要だと考えたんじゃないかしらねぇ?」

「み、身を守るエキスパート!?」
「そうよ。まだ敵が明確に命を狙い出す前に、ザコ敵と少しでも沢山戦って勇者の実力を上げておこうと考えたんだと思うわ。でも、その途中で命を落とされては困るから、圧倒的強さで……しかもトラブルを呼び込む体質の男を派遣して、確実に運命を遂行させようと考えたんだと思うわ」

「そ、そんな身勝手な……」
「神ってのは身勝手な生き物なのよ! でもね、貴女の彼氏だって十分身勝手よ。リュカが歌で敵を誘き寄せ、強くなる機会を与えてるのに、一方的に激怒してるんですからね。勇者としての心構えも、強くなろうという意気込みも感じさせない、身勝手なお子ちゃまよ!」

私は同じ顔のシンシアに毒を吐きながら、満面の笑みで彼女を見据える。
そのシンシアは、悔しさからか悲しさからか、目を見開い
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