暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺がワイルドな交友関係を結ぶなんてまちがっている。
実は、里中千枝は気が使える。
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る光が一層強くなる。

「ル………………」

足下に、青く輝く陣が顕現する。

「ソ………………」

さあ、あと一工程だ。最後の一文字を、唱えろ。

「ナ………………ッ!!」

心臓が、大きく跳ねた。



「何だあれ!?」

「大きな……人間?」

ソレは人の形をとっていた。
半透明なくせに、しっかりとした質量を持ってそこに存在している。
なびく学ランに、煌めく刃。堂々としたその姿は番長という代名詞が相応しい。

これが、ペルソナ…………
もう一人の、俺…………?

俺は壮絶な違和感に襲われていた。
コイツがもう一人の俺? 何かの間違いじゃないのか?

「シャドウが来てるクマよ!!」

着ぐるみの叫びに雑念を振り払う。
今は細かいことはいい!

「…………イザナギッ」

頭に浮かんだソイツの名を唱える。

タイムラグはほぼなかった。
反応したソイツが接近してきたシャドウを己が刃で切り刻む。

「ギシェェェッ!?」

ボンっと弾け飛んだボールに構わず、次の標的へ。

渾身の刺突はにょろりと避けられた。
寄ってくるボールから一端距離をおく。

「ぐっ…………」

頭が締め上げられるような感覚に、思わず膝をつく。
お力添えとやらの副作用か?
流れ込んでくる自分のものでないビジョンに、脳が圧迫されているのかもしれなかった。

「先輩、危ない!」

眼前まで迫っていたボールを危うく回避する。
くそ、待ったなしかよ。

外れかかった着ぐるみの頭を被りなおす。アホらしいがこれがないと視界が狭すぎて戦闘なんて無理だ。

「ギィィィッ」

今度は二体同時に襲いかかってきた。
それでもやることは変わらない。頭に浮かんだビジョンに従うのみ。

「ーーーージオ」

刹那、イザナギの引き起こした雷がボールどもの頭上に落ちる。
ボールの一体がそれをモロにくらい、弾け飛んだ。

襲い来る激しい頭痛に悶絶しながらも、視線はズラさない。まだ一体残っている。
雷撃は上手く躱されたが……

「ーー予想範囲だ」

白刃が、最後のボールを両断した。



「はぁ……はぁ……」

地面に大の字に倒れこむ。

「比企谷先輩!」

「大丈夫っすか!?」

頭痛の残り香がしくしくと痛い。
震える手で着ぐるみの頭を外す。

答える余裕なんて、なかった。

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