第13話 出会いの裏
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インテールも健在だ。
「まだ眠そうだな」
「そりゃね。あんたが昨日激し過ぎたのがいけないんでしょ」
「いかがわしい言い方をするな。お前がゲームをずっとやり続けてたからだろうが」
「うっさい!少しは手加減しなさいよ!」
「はいはい」
手加減したらしたで起こるクセに。という言葉は言わずに呑み込む。
クルトとアリアがやっていたのは最近人気のゲームで、いわゆるFPSと呼ばれるゲームの一種だ。
プレイヤーは傭兵の一人として、様々なミッションをクリアしていくというもので、現在クルトとアリア、特にアリアがハマっているゲームである。
その対戦モードで、アリアはクルトにボコボコにされたのだ。
「とりあえず朝飯作ったからさっさと食えよ」
「はいはい」
そう言いながらアリアは席に着き、朝食を取り始める。
最初にアリアはオムレツを口に含んだ。その瞬間、アリアの顔が幸せそうにとろける。そして次の瞬間には、それをクルトに見られていると気付き、「え?あたし全然普通ですけど」みたいなシレッとした顔で。
「ま、まあまあね」
とそっぽを向きながら言うのだ。
それが面白くて、クルトは思わず笑ってしまう。
「そうか。いつかお前に美味しいと言って貰える料理を作れればいいけどな」
「ふ、ふんっ!せいぜい楽しみにしておいてあげるわ!」
いきなり顔を真っ赤にするアリアに小首を傾げながら、クルトも自分の朝食を取り始める。
その時、アリアが小さな声で、「な、なによあれ!?は、反則じゃない…っ!」と、耳まで赤くしてぶつぶつ言っていた。
そんなアリアには気付かず、クルトはテレビを付ける。
丁度朝のニュースの時間であり、画面の中ではとある事件についてコメンテーター達が意見を交わしていた。
『―――では、次のニュースです。今話題となっている連続爆破事件。武装探偵…所謂武偵のみを狙った犯行であるが故に、“武偵殺し”として有名なこの事件に新たなる情報が入りました』
そのニュースに、クルトとアリアの二人は自然と意識を向ける。
ニュースの内容自体は、既に二人が知っている情報なので、特に目新しさはない。が、“武偵殺し”事態に、二人……特にアリアはその眼を鋭くしていく。
「……こいつが、こいつ等がママを……ッ」
怒りを孕んだ瞳でテレビ画面を見つめるアリア。
アリアの母親である神崎かなえは、秘密結社「イ・ウー」に様々な冤罪を被せられ、現在服役中だ。
(そうだ。俺達はこいつを始めとしたイ・ウーの連中を捕まえる為に日本に来たんだ)
それは今から約半年前。
クルトが良く利用している情報屋から手に入れた、「イ・ウーの連中が日本にいる」というのに従い、やって
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