暁 〜小説投稿サイト〜
ヒダン×ノ×アリア
第13話 出会いの裏
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
インテールも健在だ。

「まだ眠そうだな」

「そりゃね。あんたが昨日激し過ぎたのがいけないんでしょ」

「いかがわしい言い方をするな。お前がゲームをずっとやり続けてたからだろうが」

「うっさい!少しは手加減しなさいよ!」

「はいはい」

 手加減したらしたで起こるクセに。という言葉は言わずに呑み込む。
 クルトとアリアがやっていたのは最近人気のゲームで、いわゆるFPSと呼ばれるゲームの一種だ。
 プレイヤーは傭兵の一人として、様々なミッションをクリアしていくというもので、現在クルトとアリア、特にアリアがハマっているゲームである。
 その対戦モードで、アリアはクルトにボコボコにされたのだ。

「とりあえず朝飯作ったからさっさと食えよ」

「はいはい」

 そう言いながらアリアは席に着き、朝食を取り始める。
 最初にアリアはオムレツを口に含んだ。その瞬間、アリアの顔が幸せそうにとろける。そして次の瞬間には、それをクルトに見られていると気付き、「え?あたし全然普通ですけど」みたいなシレッとした顔で。

「ま、まあまあね」

 とそっぽを向きながら言うのだ。
 それが面白くて、クルトは思わず笑ってしまう。

「そうか。いつかお前に美味しいと言って貰える料理を作れればいいけどな」

「ふ、ふんっ!せいぜい楽しみにしておいてあげるわ!」

 いきなり顔を真っ赤にするアリアに小首を傾げながら、クルトも自分の朝食を取り始める。
 その時、アリアが小さな声で、「な、なによあれ!?は、反則じゃない…っ!」と、耳まで赤くしてぶつぶつ言っていた。
 そんなアリアには気付かず、クルトはテレビを付ける。
 丁度朝のニュースの時間であり、画面の中ではとある事件についてコメンテーター達が意見を交わしていた。


『―――では、次のニュースです。今話題となっている連続爆破事件。武装探偵…所謂武偵のみを狙った犯行であるが故に、“武偵殺し”として有名なこの事件に新たなる情報が入りました』


 そのニュースに、クルトとアリアの二人は自然と意識を向ける。
 ニュースの内容自体は、既に二人が知っている情報なので、特に目新しさはない。が、“武偵殺し”事態に、二人……特にアリアはその眼を鋭くしていく。

「……こいつが、こいつ等がママを……ッ」

 怒りを孕んだ瞳でテレビ画面を見つめるアリア。
 アリアの母親である神崎かなえは、秘密結社「イ・ウー」に様々な冤罪を被せられ、現在服役中だ。

(そうだ。俺達はこいつを始めとしたイ・ウーの連中を捕まえる為に日本に来たんだ)

 それは今から約半年前。
 クルトが良く利用している情報屋から手に入れた、「イ・ウーの連中が日本にいる」というのに従い、やって
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ