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DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十七話
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 ウォルギルの保有する六門属性は《火》《風》《土》の三重属性だ。六門属性は多ければ多いほど能力が高いが、大して少なければ少ないほどより性能が精錬されて強力なものになっていく。つまり、三重属性と言うのは《全数属性(五重)》《矛盾属性(光闇二重)》《純正属性(単一)》、そのどれにもよっていない、もっとも平均的で、言ってしまえば『微妙』な立ち位置にある属性なわけである。

 だが、ウォルギルの実力は《微妙》等では決してない。かつての戦闘職三名……コクト、ウォルギル、そしてラーヴェイの三人の中では、前衛・後衛両者複合のコクト、《ギア》に全てを振ったラーヴェイと比べて、ウォルギルは物理攻撃力では最強を誇ったのだ。彼のレベル、コクトより一つ高い73が、その強さを物語っている。

 そう。ウォルギルは、世界に三人しかいない、『《六王神》以外で第五階位に到達した六門神』の一人なのだ。彼の持つ能力は、《刀剣錬成》、《刀剣浮遊待機(ソードビット)》、《刀剣自動攻撃》。簡単に行ってしまえば、自由に長剣を作りだし、それをビットとして利用できるのだ。二刀流どころか、ある意味の《多刀流》と言えるだろう。

「うははははははっ!!しばらく見ねぇ間に随分弱っちくなったな兎の!そんなんじゃぁ俺に勝てないぜぇ!?」

 ウォルギルの二刀が振り下ろされる。それをコクトが、素早く《冥刀・(イテツキ)》ではじくたびに、ぎぃん、という鈍い音が響く。

 ウォルギルは筋力値と武器の硬度・サイズで押す、《パワー型》の戦い方をする。故に彼の武器は本来ならば《両手剣》のカテゴリに入るであろう、大型の直剣だ。二刀装備したそれを、高めの筋力値、そして《風》の六門属性が持つスキル、《軽業(フェザーアーツ)》によって武器の《体感重量軽量化Lv4》によって、自由自在に操ってくる。もちろん、《体感重量軽量化》は使い手、即ちウォルギルにのみ適応される。コクトは両の長剣の重量を、きちんと受け止めなくてはならないのだ。

 対するコクトは、トリッキーな動きが可能な《刀》を使って敵を翻弄する、どちらかといえば《スピード型》の戦い方だ。《冷気ダメージ追加Lv4》を始めとする様々な弾き時(パリング)スキルを持つ《凍》だが、それでも両手剣と比べればその硬度やサイズは圧倒的な差がある。ウォルギルの《刀剣錬成》の練度は非常に高く、一般の製作級武器とは思えない強さを誇るのだ。はじききれなかった威力で、コクトの体力はどんどん削られていく。

「くっ!」

 コクトは《凍》を振るい、ウォルギルの長剣をいなす。ウォルギルも戦闘開始時ほどの余裕綽々とした表情は、少し薄れてきた気がする。コクトの《凍》が与える冷気ダメージが、少しずつウォルギルをむしばんでいるのだ。

 だが、ウォルギルは火属性を兼ね
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