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DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十七話
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のどちらでもない水と風の複合属性……俗に《吹雪属性》と呼ばれる魔術の属性だ。威力が莫大な代わりに消費するMPも多く、癖の強い魔術と言える。コクトは、それを軽々と使いこなすだけの適性を備えていた。

 そう、たとえば――――本来ならば使えない風属性スキルの代わりに、姿勢制御及び相手のそれを『妨害』するために、自らの周辺に風を巻き起こす、などとして。

 風属性スキルの常として、より強大な風の前では効果を打ち消されるという特性がある。そして多くの風属性スキルより、吹雪属性の巻き起こす荒らしは威力が大きい。その分コントロールも効かないが、今はそこは関係ないのだ。威力が高ければ、()()()()()

 むろん、ウォルギルのスキルの威力がコクトのそれより高ければ意味はないが――――だが、ウォルギルは《三重属性》。全てのスキルを、高クラスで、しかし()()()()に習得しているのだ。それが、様々なスキルに手を出せる汎用差を秘めた三重属性の弱点。結局は、圧倒的に強力な『器用貧乏』にしかなれない事。純正属性ならまだしも、三重属性の中途半端な風スキルで、コクトの吹雪は止められない。

「うぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 コクトの突きが、ウォルギルの道義を突き破る。そのHPが、0になる手ごたえを、コクトは確かに感じた。

「……やるじゃねぇか、兎の……コクト。それでこそ、俺の元相棒、だぜ……」

 ごふっ、という声と共に、その体が光となって掻き消える――――寸前、地面から伸びあがった闇の腕に抱かれて消える。あの現象は以前見た。ノイゾと名乗った少女の、空間転移能力にも似たナニカだ。おそらく彼女が、力尽きたウォルギルを回収したのだろう。彼がログアウトしてくるには、まだ時間がかかりそうだった。 


「なんとか……倒したか……そうだ、セモン達は!」

 コクトは、直後に一息ついている場合ではない事を思い出した。

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