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駄目親父としっかり娘の珍道中
第59話 最近出ない奴に限って意外な場面で出てくる時って多いよね
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 漆黒の空を天高くそびえる満月だけが照らし出す江戸の町。不気味なまでに静まり返った此処かぶき町を今、大勢のからくりメイド達が我が物顔で行進していた。
 伍丸弐號の、林博士のクーデターがいよいよ本格的に始まってしまったのだ。
 頼みの電力を全て奪われてしまった江戸の人間達に、この生気のない者達の歩みを止める手立てなどはなく、真選組の隊士らが総動員してこれらの鎮圧に当たったが、状況は苦しかった。
 その現状を遥か上空を飛行する大江戸テレビが生中継していた。因みにアナウンサーはご存知結野アナだったりする。
 が、電力がストップされていた為に勿論この中継が江戸全市民に報道される事はまずないのだが―――




     ***




 不気味なからくりメイド達の大攻勢が向う先、それは一軒の古ぼけた建物であった。その数は昼間銀時達が蹴散らした数の実に倍近くに上る。そんなメイド達がまるで砂糖に群がる蟻の如く古ぼけた一軒屋の入り口前へと集まった。しかも、その全てのからくりメイド達は皆量産型のタイプとは訳が違う。皆、魔力を使用する事の出来る強化型メイド達だ。
 以前の戦いでは、半数以上が量産型の魔力を使用出来ないメイド達だった為に物量の差を押し退けて勝利する事が出来た。だが、今回はそうはいかない。無策で挑めば即座に魔力攻撃の餌食となるのは火を見るよりも明らかだった。
 
「生体反応感知。この家屋にお住まいの方は、直ちに外に出て、我々の指示に従って下さい」

 メイド達のセンサーが家屋内に居るであろう住人の存在を感知したようだ。からくりである彼女達の目をもってすれば例え建物の中に隠れていて息を潜めていようと即座に見つかってしまうだろう。
 
「警告は三度行います。それでも応答がない場合は、強制行動に移ります。その場合、命の保障は出来ません。繰り返します―――」

 一度目の警告を行おうとしたその矢先の事だった。突如入り口前のシャッターが轟音と共に盛大にぶち破られる。それと同時に激しい爆発が起こり、入り口前に集まっていたメイド達の大半が木の葉を吹き飛ばすかの如くバラバラに跳ね飛ばされてしまった。
 その後に出て来たのは無骨で鈍重で、それでいて堅牢な大型戦車……と思わしき車両が姿を現した。

「だああぁぁぁっはっはっはっ! 思い知ったかぁ流山! お前の華奢でちんけなからくりなんぞわしのからくりで一撃粉砕よぉ!」

 まぁ、既にご承知の事であろうが、この巨大な戦車を操縦しているのはこれを作ったであろう平賀源外その人であった。何故だか分からないが何時にも増してテンションが高めな気がする。
 この人もしかしてハンドル握ったら性格が変わる人なのかも知れない。

「流山! 貴様に男のからくりが何なのか教えてやる! それはなぁ、
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