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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第9話:新メンバーを選抜せよ−3
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があって
 聞いたんですが・・・」

「なるほどね・・・」

ウェゲナーが話し終えるとゲオルグは納得したというように何度か頷いた。
その顔には苦笑が浮かんでいた。
そしてしばらく何かを考えるように視線をさまよわせると、
突然手を打ってその足を止めた。

「なあ、ウェゲナー。 お前、晩飯もう食ったか?」

「え? まだですけど」

「そうかそうか。 じゃあ、今からウチに食べに来い」

「はい!?」

予想もしていなかったゲオルグの発言に、ウェゲナーは目を丸くして答える。

「ありがたいとは思いますけど、もう遅いですしご迷惑ではないですか?
 それに、俺は寮住まいなのでまたここに戻って来ないといけませんから」

「部屋は余ってるから泊っていっていいぞ。ちょっと確認とるから少し待ってろ」

固辞しようとするウェゲナーだったが、ゲオルグは手を振って笑い飛ばすと
なのはとの間に通信を繋ぐ。

『あ、ゲオルグくん。 今から帰り?』

「うん。そうなんだけど、客をひとり連れて帰ってもいいか?」

『え? お客さん?』

「うん。 晩飯食わして1晩泊めたいんだけど、大丈夫か?」

『泊めるの!? まあ、大丈夫だけど・・・。
 ご飯は・・・おかずがゲオルグくんと半分こになるけど、いい?』

「それでかまわないよ」

『じゃあ大丈夫だよ。 これから出るんだよね?』

「ああ。 だからそっちに着くのは9時前になると思う」

『わかった。 じゃあ、準備して待ってるね』

「頼む。 ありがとな、なのは」

途中驚いた表情も見せたにもかかわらず、最終的には快諾したなのはに
感謝しながらゲオルグは通信を切った。
そして、ウェゲナーの方へ向き直る。

「じゃあ行くか」

「あ、はい・・・お願いします」

ウェゲナーは戸惑いつつも頷き、先を歩くゲオルグの後について歩き出す。
2人で並んで隊舎から出ると、ゲオルグの車に2人して乗り込み、
ゲオルグは車を発進させた。

助手席に座るウェゲナーは窓の外を流れる夜景を見ながら
"なんでこうなったんだ?"と無言の車内で冷静に考えていた。

「なんか、無理やり連れてきたみたいになって悪かったな」

道のりの半分ほどを過ぎたころ、ゲオルグがウェゲナーに声をかける。

「いえ、そんな・・・」

ウェゲナーは慌てて手を振って応える。
それからは再び無言のまま時が過ぎ、9時前にはシュミット邸に到着した。
玄関先まで行きゲオルグが呼び鈴を鳴らすと、中から足音が聞こえてきて
内側から扉が開かれた。

「おかえりなさい」

「ただいま。 ごめんな、急に客を連れてきちゃって」

「ううん、いいよ。 隊の人?」


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