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妖精の義兄妹の絆
魔導士ギルド化猫の宿“ケットシェルター”
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ら。」
「あぁ、おやすみ。」
「おやすみ〜。」
そう言ってウェンディは部屋を後にした。




時を戻して夜。

(「あのじいさんも、ウェンディも優しかったな。てか、俺ら以外の人にあったの初めてかも。」)
そんなことを考えながら窓際に目を移した。気づけば外はすごい大雨で時折雷もなっていた。
タクヤは雨音が大好きだった。理由は覚えていない。規則正しく窓や地面に弾ける雨粒が奏でる音、
アクセントとして鳴る雷を聴いていると心がやすらぐのが分かる。
(「今日は結構テンポが早いな…。」)
心のなかで呟くと、扉が開く音がした。通路側じゃなく、ウェンディの部屋へと続く扉だ。
そこから枕を抱え、涙目になっているウェンディがいた。
「…タクヤ、起きてる…?」
「あ、あぁ。どうしたんだ?」
タクヤが尋ねるとウェンディは半泣き状態で言った。
「グズッ…、雷が怖くて寝れないの…。一緒に寝てもいい?」
タクヤは一瞬焦ったが、ウェンディの泣いてる顔を見て答えた。
「うん、いいぜ。」
「ありがとう。」
ウェンディは涙を拭いながらタクヤのベットへ入ってきた。
「タクヤの布団のなか、暖かい…。」
「まぁ、な。それにしてもウェンディは雷が苦手なんだな。」
少し茶化すようにタクヤは言った。
「いつもなら雷なんて鳴らないし、ジェラールがいた頃は一緒に寝てくれてたから…。」
「ジェラール?」
タクヤは聞き覚えのない名前に反応した。
「うん、私も化猫の宿には後から入れてもらったの。
その前はグランディーネがいなくなって路頭に迷ってた私をジェラールが助けてくれたの。
ジェラールも実は、道に迷ってたんだって。それから一ヶ月くらい一緒に旅してたの。」
「へぇ、じゃあ、その、ジェラールもこのギルドにいるのか?」
「ううん。ジェラールは他にやることがあるっていって私をこのギルドに預けたの。」
「そうなのか…。」
「とても危険だからって…、付いてきちゃダメだって…、グズッ…。」
言いかけながらウェンディが涙を浮かべていた。
「な、泣くなって。ジェラールも別に好きで付いてくるなっていったんじゃないと思う。
ウェンディを危険な目にあわせないようにってギルドに預けたんだよ。」
「そうなのかなぁ…?」
「当たり前だろ?会ったことないけど、ジェラールは優しい奴だと思うぜ?」
「うん…。」
「だからさ、泣くなよ。今日は俺が一緒にいてやるから。なっ?」
タクヤはウェンディを優しく抱きしめた。
「…やっぱり、暖かい…。」
そのまま二人は眠りについた。







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