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妖精の義兄妹の絆
魔導士ギルド化猫の宿“ケットシェルター”
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ラゴンスレイヤー”だった。


「…ごめん、君の母さんの居場所はわからないんだ。」
そう告げるとウェンディはそっとタクヤから離れた。
「そう…だよね。ごめんね。変なこと聞いて…。」
「いや、俺もウェンディの気持ちは分かるから。やっぱ、寂しいよな?」
「うん…。」
しばらく二人の間に沈黙が訪れた。先に口を開いたのはタクヤだった。
「でも、いつか絶対会えると思うんだ。いや、絶対に会ってやるんだ。
だから、その、なんていうか、元気出せよ。な?」
「…うん、ありがとう。タクヤ。」
ウェンディは微笑みながら礼を言った。


グゥゥゥゥゥゥ…


突然、タクヤの元から大きな音が聞こえてきた。
「…ハ、ハハッ…。そ、そういえば、ここ数日何も食べてないんだった。ははっ…。」
「ふふっ、今ギルドから夕食持ってくるから待ってて。」
タッタッタッタッ…
ウェンディは駆け足でギルドに向かっていった。
「…はぁ、なんでこのタイミングで鳴るかなー。
しかし、ウェンディも滅竜魔導士だったなんて…。あんなおとなしい子がなー…。」




ウェンディが持ってきた夕食も食べ終わり、後は寝るのみとなった。
「あっ、そうだ!タクヤのキズの手当てしなくちゃ。」
ウェンディがそう言ってタクヤの服を脱がそうとした。
「へ、平気だって。こんなのかすり傷程度だし、ほっといても…。」
「ダメ!たとえかすり傷でもちゃんと手当てしないとキズ口からばい菌が入ってきて大変なことにもなるんだから!」
「でも、包帯とかそんなの持ってないぜ?」
「大丈夫だよ。私の魔法でキズを治していくから。」
「ウェンディの魔法ってキズとかを治す魔法なのか?てっきり滅竜魔法だと思ってたが…。」
「私、攻撃系の魔法は全然なの…。でも、解毒とか体力の回復とかそういうサポートの魔法はいっぱいあるんだ。」
「へぇ、便利だなぁ。」
(「滅竜魔導士って単に攻撃系の魔法とは限んないのか…。 」)
ウェンディの魔法に関心したタクヤは大人しく治療を受けることにした。
「すげー…、どんどん体力が回復してくるよ。」
「今の私じゃ、この程度のキズしか回復できないし、魔力もいっぱい使っちゃうから、一日一回だけって決めてるの。」
「ありがとな。そんな貴重な一回をよそ者の俺なんかに使ってよかったのか?」
「目の前に傷ついてる人がいたら放っておけないから。」
「…優しいな、ウェンディは。いいお嫁さんになれるよ。」
「お、お嫁さん!?な、なにいってんの!」
ウェンディは顔を真っ赤にしながらキズの治療を続けた。

「はい、これでおしまい。」
ウェンディの魔法と、薬草のおかげで体の痛みはきれいに消えていた。
「じゃあ、寝よっか?タクヤはここの部屋を使って。私は隣の、部屋使うか
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