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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
神明裁判 F
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「――――“Summon Maxwell myths. 3S,nano machine unit”――――!!!」

一輝たちの目の前で、マクスウェルが召喚式を唱えた。
そのマクスウェルの表情はかなりの怒りに染まっており、そして・・・

「なあ・・・マクスウェルのヤツ、何であんなに腹を立ててるんだ?」

一輝は、何故こんな状況になっているのか、全く分からなかった。

『兄さんは知らなくていいの。ね、スレイブちゃん?』
「ええ。一輝様は知らなくて良いことです。」

というのも、リンとウィラのキスシーンが始まった際、スレイブが勝手に動いて一輝の目を塞ぎ、湖札が中から干渉することで聴覚まで封じられていたのだ。
知れという方が、無茶である。

そして・・・そんな一輝のことなど気にもかけずに、召喚式は効果をあらわしていく。
生気を失ったマクスウェルの周りを熱波と寒波が吹き荒れ、大気中にプラズマが走る。
境界の狭間はたやすく砕け、空間もまた、ガラス細工であるかのようにたさすく弾け飛ぶ。
そうして炎熱と極寒をまとって現れたのは、背中に巨大な翼を持つ鎧の怪物。
その正体は、全くもって分からない。生物かどうかも怪しいその存在に――――

一輝は、なんの躊躇いもなく突っ込んでいった。

『ちょ、兄さん!?』
「どうせ、正体がわかろうが分かるまいが敵であることに変わりはないんだ。だったら、一気に行く。」

一輝はそう言いながらスレイブを振り下ろし、天使のかぶとを打ち砕く。
そこには一切の感覚も無く、霞を敵にしているかのようだったのだが・・・一輝はそんなことは気にもせずに、胴を払って足を蹴り、そのまま後ろに跳ぶ。

「ふぅん・・・妙なヤツだな。」
「それはオレが言いたいことだな。お前、本当に人間か?」
「一応、人間として生まれてはいるよ。・・・あれ、神霊?」

一輝は内心では確信を持ちながら、横に来ていた殿下に尋ねる。

「正解だ。どうして分かった?」
「どこか、分かるものがあった。これでも、今の俺は神霊だからな。・・・あの天使もどきは任せた。」
「じゃあ、そっちはマクスウェルを?」
「そうさせてくれ。たぶん、俺が相手をする分にはあっちの方がいいと思う。」

一輝はそう言いながら、おのれの霊格をほんの少し、開放する。
これまでに使っていた蚩尤の霊格や霊獣、妖怪に魔物の霊格とは別の、一輝個人の霊格を。

「・・・へぇ、そうか。オマエはそう言う存在なんだな?」
「まあ、な。色々とあったんだよ。・・・全部ぶっ潰したけど。」

一輝は苦い思い出でも語るかのように表情をゆがませながら、それでもしっかりと視線を敵に向ける。

「・・・湖札、知識の方は任せた。」
『は〜い』
「スレイブは、俺の死角
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