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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter40「理想と真実の物語〜路地裏に潜む魔」
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クエストを受け、ネコ派遣でネコが集めてきたアイテムをひらすら売り続けることを繰り返して何とか一部の移動制限を解除できることになったルドガー。

だが解除できると言ってもマクスバードとヘリオボーグのどちらか一方であり、片方を選べばまた借金を返して移動制限を解除しなければならない。
まず優先さを考慮すれば、マクスバードにまず行くべきだろう。

ユリウスを探している人物がいつまでもマクスバードにいるとは限らない。
そう決めたルドガーはノヴァにマクスバードの移動制限を解除してもらい、ジュードとエルと一緒にリーゼ・マクシアとエレンピオスを繋ぐ街、マクスバードへと向かった。

『なんか変な人がいるー!』
『……ははは……』

到着早々、さっそく港の貨物置き場で不審な女性を発見する。
黒いキャスケットを被ったその女性は、しゃがみこんで、貨物の間の隙間に居座るネコに必死に話してかけており、ジュードは女性と知り合いなのか、渇いた笑い漏らしていた。

『こわくないよー。こっちおいでー』

近くまで来たものの、話し掛けるかどうか悩んでしまう。
どうしようか考えていると、女性は背後に立つルドガーとエルに気付いて立ち上がり、振り替える。

『あ!怪しい者じゃないですよ』

手を振って、慌てて怪しい者じゃないと言うが、今の行動を一部始終見ていた人間からすれば、怪しさ抜群もいいところ。

『…何してるの、レイア?』
『ジュード!?』

呆れてような表情をしたジュードが少女に話し掛け、少女はジュードを見て驚く。
この少女の名はレイア・ロランド。
リーゼ・マクシア人で、ジュードの幼なじみ。

そんな彼女がこんなところで何をしているのかというと……

『ネコと遊んでるの?』
『じゃなくて、事情があって、あの子をつかまえなきゃならないの』
『レイア、新聞記者になったんじゃなかったけ?』
『だから、事情があるんだってば!』

どんな事情があるのかはわからないがこの時のルドガーをはじめ、六課メンバーもジュードが新聞記者という言葉を使わなければ、レイアがネコと戯れているか、ネコの世話をする仕事をしている人間だと思っていただろう。

『俺が捕まえてやるよ』

普段からルルの面倒を見ている自分ならネコの一匹や二匹くらい、捕まえる事なんて朝飯前。
自信満々な表示でネコの前に行き、手を伸ばすが……

『いつっ!』

捕まえようとするルドガーへ威嚇するネコは、彼の手を爪で引っ掻く。
レイアが手を焼いていた理由を身を持って知った。
どうやってネコを捕まるか考えていると、ルドガーが動く前にネコの方がどういう気の変わり方かはわからないが、自分から出てきた。
これを絶好のチャンスと見たレイアは、ネコを捕まえる事に成功した。
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