クラス代表決定戦 後編……です。
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「開いてます。どうぞ〜。」
「じゃ、遠慮なくお邪魔するわよ〜。」
「……邪魔するなら帰ってください。」
「……春奈ちゃんヒドい。」
「冗談ですよ楯無さん。お茶淹れますからそこにかけて待っていてください。」
「お気遣い無くね。」
バッと開かれた彼女の口元を隠す扇子には[期待]の文字。
私が簡易キッチンにてお茶を入れている間に暫し回想。
更識楯無さん。IS学園の生徒会長と言う最強の称号を保持する学園最強です。マーシャルアーツ・古武術などの体術、剣術を極めているとの噂もある現ロシア代表のIS操縦者でもあります。
って、私は誰に説明してるんだろう。
「春菜ちゃん、和菓子も持ってきてるから緑茶にしてね〜。」
「そうだと思っていたので緑茶を入れましたよ。」
「相変わらずな鋭い直感だねぇ。おねーさん感心しちゃう。」
「嘘ですよね?」
「半分だけ嘘。おねーさんからすれば春菜ちゃんはまだ生まれたばかりのウミガメだからね。」
……例えがイマイチ分からないなんて言えない。バレたら―――
「その顔は意味を理解してくれなかったってことかな?」
「例えがイマイチです―――あ。」
「んもー素直なんだから。」
椅子から立ち上がり両手をわきわきとさせながらこちらに来る楯無さん。
「教養のない子はお仕置きしないとね♪」
「っ!!」
机の上の扇子の文字が変わり[理不尽]となっています。……不幸ですね。
「そんじゃあ……イッツショウタイム!」
「い、いやぁぁぁぁぁ!!」
このあと私は2分間笑わされっぱなしでした。くすぐられてですがね!
●
○Noside
セシリアは熱めのシャワーを浴びながら物思いに耽っていた。
「……織斑一夏。」
その名をつぶやきそっと自身の唇に指を添える。
高鳴る鼓動、昂ぶった気持ちに比例して早鐘の速度を増す心臓。
セシリアは今まで味わったことのないキモチに戸惑っていた。
セシリアの両親は変わった人だった。だったと言うのは両親が他界しているからだ。
母はセシリアの目標であり憧れだった。そんな母の機嫌を常に伺う気の弱い父を見て育ったセシリアは自然と情けない男とは結婚しないと思うようになっていた。
そして、理想の強い瞳を持つ男と出会ってしまった。
―――知りたい。
このキモチの根源が。
―――深く知りたい。
一夏のことを―――好きになってしまったから。
シャワールームはただただ水の流れる音のみが木霊していた。
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