クラス代表決定戦 後編……です。
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に向けてミサイルビットとレーザービットを起動する。
ユニットから射出されたミサイルが一夏に迫る。レーザービットも出力を落として射撃する。
これは秒間5発のレーザー弾を撃ち出す速射設定の連射モードだ。
威力は大したことがないのだがレーザー射撃の雨による牽制に使える。
ただし、威力に対してエネルギー効率が悪く燃費が悪いのがネックだ。
「……そろそろ幕引きにしようぜ。」
一夏は急発進と急停止を使い分けた緩急のついた動きでセシリアの雨のような射撃を回避してミサイルを両断する。
一夏は白式のスラスター内部に溜めていたエネルギーを一気に放出する。
すると、機体が慣性に従って急加速する。これは春奈の十八番瞬間加速だ。
一夏の秘策とはこの技能だったのだ。
一夏は弾丸のような速度でセシリアに肉薄する。その途中で一夏の意思に応えた白式が雪片弐型の刀身を開き、そこから白い光刃を発生させる。
白式が零落白夜を起動したのだ。
―――セシリアはチェックを掛けられたのだ。
しかし、一夏の袈裟斬りがセシリアの肩に触れかけたときにそれは起こった。
「……え?」
セシリアは斬られることを覚悟して目を瞑っていた。が、斬撃の感覚も衝撃も来ない。
セシリアが目を開けると白刃が肩に触れかけのところで止まっていた。
……寸止め。
「どうして……どうしてですのっ!?」
「……斬る気も失せた。」
「……は?」
「大の男が女相手に何やってんだろうな。」
「何の話ですの?」
一夏はしばらく黙るとセシリアにこう告げた。
「俺は誇りに背くようなことはしない……したくない。自分の都合で人を傷つける奴は許せないけどお前は心の底から周りを見下してるようには見えない。だからこそ、斬る理由がないんだ。」
セシリアは呆気にとられた。こんな男がいたのか……と。
自分の誇りに従って生きる、強い瞳の男。
「完敗ですわ……。わたくしの負けですわ。」
セシリアはそう言いながら背を向ける。
『セシリア・オルコットの降参により試合終了。勝者、織斑一夏。』
この瞬間、一夏のクラス代表就任が決まった。まぁ、どっちに転がっても一夏にとっては損しかなかったわけではあるのだが。
●
○side春奈
クラス代表戦は一夏の勝利に終わりました。
うちの弟は変なところで甘ちゃんな紳士ですから困ったものですね。
まぁ、そこも含めて一夏の良いところなのですがね。
さて、私は今回の戦闘データを整理する作業に取り掛かることにしますか。
コンコン
む?お客でしょうか。
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