暁 〜小説投稿サイト〜
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DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十四話
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いですね……」

 ハクガが珍しく、『打つ手がない』とでも言う表情を取る。

「物理攻撃は《アークイフリート・ネオ》が。特殊攻撃は《アンダルギア=メタトロン》が……そしてこちらがいくら耐性を付与しても、《エオス》がすべて無効化してしまいます」

 そう、その存在を忘れてはいけない。

 《AEN》の黄金の巨体、《大天使アンダルギア=メタトロン》の神々しい翼の向こう側に、楽器を模した天使が浮かぶ。

 《彼女》の名は《暁を呼ぶ女神(エオス)》。風の《六王神》、《暁を守護する者》フェーレイの《ギア》である。リーリュウの《ギア》である笛、《エオス》と同じ名をもつその聖巨兵の能力は、『すべてのバフの打消し』。どれだけの強化をかけても、女神の美声にてすべて掻き消えてしまう。それだけではない。打消しは武器や《ギア》の能力にまでおよび、それどころか相手側はその効果を一切受けない。

 こちらは何もできないまま、最強の聖巨兵が叩き潰しに来る。まさしく神威。まさしく、絶望。

 だけれど――――

「……やってみるまで分からない。もしかしたら、上手くいくかもしれない」

 何もやらないわけにはいかないのだ。セモンは、そう強く思う。

 そうだ。今までだってそうやって乗り切ってきたじゃないか。

 小学生の時、体格もずっといい、年上の少年たちから琥珀を救った時も。

  
 SAOで仲間たちと初めて参加したボス戦のときも。

 モンスターハウスに引っ掛かった時も。

 ボス部屋で、ハザードとたった二人でボスを倒した時も。

 七十四層でコハクと再会した時も。

 七十五層でハザードと戦った時も。

 ALOで、スレイヴ・プレイヤーたちとしのぎを削った時も。

 ずっと、セモンの心には、一つの熱い決意があった。

「そうだ。……きっとうまくいく、そう信じるんだ」
「……セモンさん?」

 ハクガがいぶかしげにセモンを見る。だが、セモンはもうそれに構っていない。

 セモンの握る《冥刀》、《雪牙律双(せつがりっそう)》の半透明の刀身が、まばゆいオレンジの光を放つ。繰り出されたのは、かつて剣の世界で《アラブル・ランブ》と呼ばれていたソードスキル。セモンが最も多く使用し、修練した、《神話剣》の象徴。

 神話の世界を戦い抜いた、古の猛者達を彷彿とさせる荒々しさで、その剣がうなる。

「うおぁぁぁぁ――――ッ!!」

 セモンは叫ぶ。そして、全力で、魂を込めて走る。

 《アークイフリート・ネオ》でもいい。オウエンでもいい。《大天使アンダルギア=メタトロン》でもいい。リ・エリューラでもいい。《暁を呼ぶ女神(エオス)》でもいい。フェーレイでもいい。

 誰かに、この剣を届かせる
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