暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross world〜
cross world:交互
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


例えば中学生から社会人であれば、会社や部活が忙しいためにインできないという事は分かる。

しかし、小学生はどうだろうか。部活もないし、何より学校が終わるくらいの時間帯だ。アミュスフィアを被る者は多いだろう。

何より、休日なのだ。

いくら少ないとはいえ、それらは全て平日に限ってのことである。アルヴヘイム・オンラインの中心都市、アルンに次ぐといっても過言ではないこの街で、休日にこんなプレイヤーがいない穴のような空白がぽっかりと出現するものなのだろうか。

おかしい。

何かが、おかしい。

じっとりと纏わりつくような、そんな嫌な圧力が全身に掛かり、膝の辺りからギシリというデンジャラスな音が響く。

「……………ルナねーちゃん」

「へっ!?あ、はいッ!」

なぜだか完全に裏返っているその声の主に視線はあえて向けずに、紅衣の少年はあくまで顔を正面に固定したまま、あごを伝う冷や汗という名の液体を拭いもせずに一言。

「来るよ」

ボバッッッ!!!

空気が爆発したような音が、誰もいなくなった大通りに響き渡った。

咄嗟に顔の前で腕を交差する防御動作を行ったルナの前で、ギュリアアアァァァーンンンン!!!という耳をつんざくかのような甲高い金属音が轟く。

遥か前方から何者かが猛烈なチャージを敢行してきた、と脳が判断するのに若干の時間を要した。

その何者かは、ピンと張ったレンの得物と真正面から衝突し、数秒間の間隙の後距離を取るように強引に腕を薙ぎ払って数メートル後退する。

一陣の風が発生し、地面の石畳の上に薄く降り積もった砂粒をまとめて吹き飛ばしていく。

眼を細め、それらをやり過ごした少女が見たものは――――

「ソレイ……ユ…………?」

愛する恋人の姿だった。










そして冒頭に戻る。

油断なく、隙なく距離を測っていたレンであったが、己の背後から漏れ出た呟きに、一気に思考の全てを混乱させられた。

ソレイユ?ソレイユって確か………。

その答えに辿り着く前に、着流しを着た少女がレンの脇をすり抜け、前へと躍り出る。

「えっ?ちょ――――!」

「…………………アナタ、誰?」

「………へ?」

咄嗟に引き止めようとした手がピタリと止まり、なんとも間の抜けた声が口から漏れてしまった。

ただ驚いただけではない。

その言葉の意味が分からなかった。

理解ができなかった。

だってその言葉を額面どおりに受け取るならば、今自分達の目の前に存在している生物はいったい何なのだろうということになってしまう。忍者でもあるまいし、分身という訳でもなかろう。それに、もし分身ならばルナという名の少女の言葉はもっと違
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ