As 13 「終焉の始まり」
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がいなくなるんじゃないかって不安で……、あの人達のためにも頑張って……。きっと今日までに……ショウはいっぱい悩んで、苦しんで、傷ついてきたんだよね」
テスタロッサはそこで一旦口を閉じ、優しい瞳を真っ直ぐこちらに向ける。
「それでも今もこうして戦ってる……私はそんなショウのこと信じてるよ」
心の中にあった何かが砕かれた気がした。
……本当に君は優しい子だね。俺は高町のように君に心を開いていたわけじゃないのに……。
喜び、自分への嫌悪などを覚えつつも、俺の口は無意識にこう発する。
「……俺も君を信じる」
視線は自然とシグナム達へと向いた。テスタロッサも、少しの間の後彼女達へと意識を戻したようだ。
実力的な何かが変わったわけではない。だがそれでも、先ほどまでよりも戦える気がするのはテスタロッサの言葉のおかげだろう。
再び戦闘が開始される、まさにその瞬間だった。
とある方向から爆音が響く。一瞬ではあるが桃色の光が見えたため、おそらく高町の砲撃によるものだろう。
爆発や爆音は魔法を使用した戦闘には付き物だ。これだけだったならば意識はすぐにシグナム達へ戻っていただろう。
煙が晴れると共に姿を確認できたヴィータの周囲には、不気味な色の障壁があった。高町の砲撃を受けて無傷というのも驚くべき事実だが、それよりも注目すべき点があった。
「……闇の書?」
ヴィータの顔にも困惑の色が見える。
突如出現した闇の書は、障壁を消すと少し上昇した。直後、蛇のような闇色の魔力が多数出現する。
「あれは……」
「ナハトヴァール……何故!?」
ナハトヴァール――闇の書に搭載されている自動防衛システムであり、暴走を引き起こす原因。だがあれが起動するのは完成後ではなかったのか。
「待て、今は違う! 我らはまだ戦える!」
「そうか……こいつ、こいつがいたから」
疑問を抱いているのは俺達だけではないようだ。騎士達まで闇の書の行動を理解できていないとなると、いったい何が起こるというんだ。
そのように思った矢先、ナハトヴァールからシグナム達の維持を破棄して完成を最優先するといった発言があった。それを間近で聞いたヴィータは、誰よりも早く怒声を上げながらナハトヴァールへ向かって行く。だがあっさりと返されてしまった。
ナハトヴァールは次なる行動に移る。強固なバインドを複数発動させ、この場にいた全ての者を拘束した。敵対していた俺や高町だけでなく、闇の書の一部であるシグナム達でさえも。
蒐集されたことがある高町とテスタロッサを除いて、リンカーコアが出現。必然的に魔力の蒐集が始まる。
「ぅ……」
「く……!」
「シグナム、シャマル! うぐっ……!」
高魔力保持者から蒐集を開始し
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