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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
神明裁判 E
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「スレイブ、あわせてくれ。」
「イエス、マイマスター。」

スレイブが懐かしい呼び方をするのと同時に、一輝はマクスウェルの拳を握っていない方の手でスレイブを構え、唱える。

「我は鉄を打つもの。鋼を打ち、武具を造りしもの。」
「我は剣。打たれ、鍛えられ、武具となりしもの。」
「我は今ここに、我が剣を鍛える。我が武具は全てを切り裂き、全ての敵をなぎ払おう。」
「我は今ここに、和が主に鍛えられる。我は主とともに万物を切り裂き、主の障害をなぎ払おう。」

その瞬間にスレイブは輝き、一輝がそれをマクスウェルに向けて振るう・・・が、マクスウェルは自らの手を切り離し、後ろに跳んで避ける。
空間を飛んで避けようとしたが、一輝の中にある妖怪の一つの力で、それは防がれているのだ。だから、自分の腕を切り落として避けた。
・・・否、避けたつもりになった。

「「刃よ、全てを切り裂け!!」」

二人の声が重なった瞬間に、マクスウェルの体は両断される。
空間すらも切り進んだ刃によって。

「ふぅ・・・湖札、あれでいけたと思うか?」
「え、あ・・・たぶん、ダメだと思う。あれを倒すには、存在後と吹き飛ばすしか・・・」
「それは、ちょっと面倒だな・・・仕方ない、いったん引くぞ。」

一輝はそう言いながらスレイブを納刀し、動けないでいる湖札をお姫様抱っこの要領で抱き上げる。

「ちょ、兄さん!?」
「ん?呼び方戻ったな。」
「あ・・・あぅ・・・」

湖札は一瞬で顔を真っ赤にして黙り、一輝はその隙に是害坊の力で作り出した翼で飛び、先に行った一行に追いつこうとする。

「・・・なぁ、スレイブ。なんか不機嫌になってないか?」
「はて、何のことでしょうかマスター?」
「いや、間違いなく不機嫌だよな。呼び方も戻ってるし。」
「ああ、申し訳ありません。先ほどそうお呼びしましたので、それが抜け切っていないようです。」
「ああ・・・なんだかよくわかんないけど、なんかスイマセン。」

一輝はその原因に気づくことができなかったが、自分が原因で不機嫌になったことくらいは察したようで、自分から謝る。

「えっと・・・スレイブちゃん、だっけ?」
「なんでしょうか、妹君?」
「あ、湖札でいいよ?」
「では湖札。なんでしょうか?」
「えっと・・・苦労してそうだね。」
「・・・ああ、かなり。」

そして、二人の間に何かしらのつながりが出来た。

「さて、湖札は大丈夫か?怪我とか。」
「あ・・・うん、大丈夫・・・」

一輝が湖札に問いかけると、湖札は視線をそらしながらそう返す。
それは恥ずかしいからではなく、これまではどうにか兄と会話をしないようにしていたのが、兄から話しかけられたことでそうも行かなくなったのだ。
そう、
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