暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
神明裁判 E
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
鬼道に連なるもの。我は鬼道の乙女。我は力なき乙女。」

湖札が望んだ力は、兄とともに戦う力。
どのような形でも、兄とともに戦うことだけを望んだ力だ。

「故に我は全ての力を託す。我が全てを託す。我は、鬼道の長に我が存在、その全てを託す。」

湖札が唱える言霊に応じて、湖札という存在が一輝の中・・・一輝の檻の中へと、入っていく。

「なんだよ、この奥義・・・」
「・・・今、我と汝は統一される。我が力・・・存分に、使いこなしたまえ。」

言霊を唱え終わると同時に、湖札という存在の全ては一輝と統一される。
檻の中身も、湖札のギフトも、この瞬間に一輝のものになった。

「・・・なんだよ、この奥義。俺は知らないぞ?」
『当然だよ。私のために生み出された奥義だもん。次の世代からじゃないと分からないよ?』
「・・・念のために聞いとくけど、」
『大丈夫だよ。この奥義は簡単に解除できるし、解除すればちゃんと分離されるから。』

一輝が尋ねようとしたことは、たずねるまでも無く湖札に答えられる。
今、湖札は一輝の中にいる。一輝の感情は、お見通しなのだ。

「っと、合流できましたね、一輝さん。えっと・・・湖札さんは?」
「ん?あ、ジン。何でウロボロスと一緒に?」
「あ・・・ちょっと、停戦協定を結びました。一輝さんのおかげで今は問題ありませんが、マクスウェルの魔王をこのまま放置するわけには行きませんので。」
「そっか。それで、湖札だけど・・・」
『ここにいるよ?』

一輝の中から、湖札が声をかける。
その声に、その場にいるメンバーの中で殿下以外は驚きを示したが、

「・・・そうか。そういうこと(・・・・・・)なのか?」
『あー・・・うん、片方は。もう片方は、まだ分からないけど。』
「あっそ。なら、その気になったら遠慮なく言えよ。元々、そう言う話なんだから。」
『分かってるよ。躊躇う理由なんてないし。』
「いやいや、少しは躊躇えよ。」
「二人は何の話をしてるんだ?」

二人の会話に対して、一輝が口を挟むが・・・

「いや?オマエは、まだ知らなくていいことだ。」
『そうだよ。兄さんは、まだ知らなくていいの。』

その質問は、二人によって却下された。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ