暁 〜小説投稿サイト〜
赤城と烈風
波及効果と戦史研究
97式曲射歩兵砲と重、中、軽迫撃砲
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 1936年4月1日に開始されたソ連軍の極東攻勢は地上戦及び航空戦のみならず、海上でも活発に行われています。
 有力な水上部隊を配備しておらぬソ連太平洋艦隊は、第1次大戦の帝政ドイツ海軍に倣い無制限潜水艦戦を選択。
 日本海軍は長年に渡り潜水艦対策の研究を怠っており、急所を痛撃する事になりました。

 第1次大戦の際、日本海軍は駆逐艦12隻を地中海に派遣。
 ドイツ潜水艦から輸送船を護り、トランシルヴァニア号から乗員を救出する等の活動も実施しています。
 ユトランド沖海戦が注目され、戦艦の防御力不足が声高に議論されましたが。
 地道な海上護衛戦に関心を寄せる者は極少、皆無に近い有様でした。

 大英帝国を窒息の一歩手前にまで追い詰めた裏技、ドイツ潜水艦部隊には着目せず。
 反面教師として研究を行ったのは新見政一大佐のみ、と言っても過言ではありません。
 総力戦体制の必要性を唱える卓見、先覚者の報告書は長年に渡り誰も省みませんでしたが。
 オホーツク海の結氷前に南下、展開を終えた潜水艦部隊が海上交通線を襲撃。
 多数の輸送船に雷撃を浴びせ、日本経済を恐慌状態に陥れます。

 襲撃の優先順位は明確化されており、護衛の海軍艦艇は無視。
 地上戦に参加する陸上部隊、戦車、火砲、武器弾薬を満載した輸送船が最優先目標ですが。
 多数の商船が武器輸送船と誤認され、魚雷攻撃を受けてしまいます。
 変幻自在に水中を疾駆する敵艦を駆逐する術は皆無に近く、護衛の駆逐艦も被雷。
 日本駆逐艦は集団魚雷戦に特化、潜水艦の魚雷を受け損傷の事態が頻発します。

 『日本海は日本の海ではなく、ソ連海軍潜水艦群の草刈場と化した』。
 そう言われても反論出来ない惨状を露呈、多数の装備が海没しています。
 対潜水艦戦術は研究する者が無く、第1次大戦の時点から全く進歩していません。
 帝政ドイツ海軍の戦訓を学んだ海の忍者、ソ連海軍の狼群戦法には手も足も出ません。

 陸軍は強硬に抗議しますが、海軍に対応する術が無い事実が暴露され方針を転換。
 海軍に頼らず独自の対策、対潜兵器開発を模索する事になりました。
 事態は一刻を争います。
 悠長に開発している余裕は無く、既存品の転用が図られました。

 確実に撃破する事は要求せず、襲撃を躊躇させる効果であれば充分。
 射程距離も要求せす、短距離で多数の爆弾を発射可能な前投兵器が有効と判断。
 操作も簡単な物が求められ、歩兵兵器の中から量産可能な物を物色します。
 日露戦争で日本陸軍自身が原型を製作、第1次大戦の西部戦線塹壕戦で効果を発揮した簡易砲弾発射器。
 角度調節により着地点を自在に変更可能な歩兵部隊携行兵器、迫撃砲が対象に上りました。


 1937年初頭には数種類の迫撃砲
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