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赤城と烈風
波及効果と戦史研究
97式曲射歩兵砲と重、中、軽迫撃砲
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が制式化され、部隊配備されています。
 14年式重迫撃砲は直径274ミリ、初速166メートル/秒。
 90式軽迫撃砲は直径150ミリ、初速163メートル/秒。
 94式軽迫撃砲は直径90.5ミリ、初速227.4メートル/秒。

 11年式曲射歩兵砲は直径70ミリ、初速84メートル/秒。
 歩兵部隊専用の迫撃砲で構造は同じ、147メートル/秒まで部品の交換で変化しますが。
 ソ連陸軍は操作性が良く、各国から高い評価を得ている普及品を採用。
 フランス製ストークブラン81ミリ迫撃砲を改良、82ミリ迫撃砲(通称BM-36)を装備していました。

 日本製の迫撃砲は高い命中率、長射程を要求され機構が複雑化。
 重量の増加を避けられず機動性、操作性の両面に劣り対抗不可能。
 11年式曲射歩兵砲も装備数は少なく、ソ連陸軍相手には有効な戦力と成り得ません。
 塹壕陣地の戦闘では、圧倒的に不利な戦いを強いられています。


 1937年に陸軍首脳も我を折り、フランス製ストークブラン81ミリ迫撃砲を制式化。
 国産化が急務と判断され高額な製造権を支払い、97式曲射歩兵砲と呼称されます。
 重く嵩張る従来型迫撃砲は総て、歩兵部隊から引き上げますが。
 海軍工廠の関係者も動員され、360度の射界を確保する回転式の砲座を急遽試作。
 敵潜水艦を発見の際、歩兵部隊の自力反撃が可能となりました。

 迫撃砲弾は海面激突時の爆発を防ぐ為、91式徹甲弾を参考に弾頭を被帽。
 被帽が破壊された時に時限信管の作動が開始され、海中で爆発する工夫を施しています。
 有効範囲は大きくありませんが、敵潜水艦の攻撃意欲を削ぐ効果を期待。
 船舶用97式重迫撃砲、97式中迫撃砲、97式軽迫撃砲、99式小迫撃砲と呼称されますが。
 北海道に極東ソ連軍が侵攻の際、防御陣地に投入され意外な実績を記録します。

 或る現場指揮官が時限信管の秒数を短縮、押し寄せる侵攻軍の頭上に連射。
 空中で炸裂して多数の破片を撒き散らし、榴散弾と同様の効果を発揮します。
 360度の回転も可能な砲座は重く嵩張る為、防御戦闘に用途は限られますが。
 上面防御の薄い軽戦車、装甲車輛にも有効と判断され高く評価されています。
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