原作前のプロタゴニスト
猫又姉妹を拾います
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止血が完了し、傷口も塞がってきた。
「……ふぅ」
二匹の子猫の治療が終わり、俺は深く深呼吸をした。
俺はイッセーの方を見て言った。
「イッセー、白猫の面倒はおまえが見ろ。俺は黒猫の面倒を見る」
「うん。わかったよ。……ねえ、カミュ。何か作ってあげて。栄養のあるもの」
「任せなさい!栄養のあるキャットフード作るから♪」
うわぁ。イッセーに頼まれると、カミュは張り切るんだよな……。
そう言うと、カミュはサッサとキッチンに行ってしまった。
「……部屋に戻ろうか」
「うん」
俺は黒猫を、イッセーは白猫を抱えて自室に戻った。
D×D
『……んぅ…ん?ここはどこにゃ?』
目を覚ました私――黒歌は、見知らないところにいた。
『えーと、確か……』
思い出したにゃ!あの路地で、私と白音は拾われたのにゃ!
私は起き上がると、周りを見回してみる。すると、一人の少年が視界に入った。
その少年は私に気がついて、こっちへ歩み寄ってくる。
「おっ!目が覚めたか。そう警戒するなよ。……あれから二時間か。まあ、早い回復だな。
……そうだな、ちょっとじっとしてろよ?」
少年はそういうと、私と目を合わせてくる。
「――万華鏡写輪眼」
少年の瞳の色が赤くなり、勾玉の文様が三つ浮かび上がる。それが繋がっていって――。
『にゃあぁぁぁ!!!!』
D×D
――気が付くと、私はあの路地にいた。
『にゃーにゃー』
私はその声に気が付き、振り返ると……そこには、傷ついた黒――私がいた。しかもその後ろには、白音がグッタリと倒れている。
『にゃーにゃー』
『龍兄さん!猫が、猫がいるよ!』
また声が聞こえたと思ったら、袋を持った少年二人が目の前にやってき――。
スルッ!
私の体をすり抜けてしまった。
……そういうことかにゃ。今、目前の光景は幻覚にゃ。……その幻覚の中にさっきの少年がいるから……その少年が見せているんだろうにゃ……。
と、私はそう解釈することにした。
D×D
「どうだったか?俺の記憶は。俺はおまえを助けた。ただそれだけだ」
現実に戻ってきた私は、少年の言葉で理解した。
……やっぱり、見せられていたにゃ。
きょろきょろ……。
私は白音が気になって、辺りを見回した。
「あぁ、あの白い子猫はイッセーが面倒を見ている。心配するな」
でも――。
「明日なら、会わせてもいいと思っている。今はゆっくり休め。何……取って食わないさ。……そ
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