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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第15話:終焉
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「もう少し早く来ないとだめじゃないか。 危うく捕まるところだったよ」

突然現れた少女に向かって微笑を浮かべたエメロードが声をかけると、
少女は黙ったままこくんと頷いた。
だが、その表情からは何の感情も読み取れない。

「うっ・・・・・」

部屋の壁に叩きつけられて倒れたゲオルグを守るようにして、
少女のほうに向かってバルディッシュを構えていたフェイトは、
背後から聞こえてきたうめき声に、ゲオルグの方を一瞥する。

「大丈夫?」

「・・・・・一応ね」

よろよろと立ち上がりながら、ゲオルグはフェイトに向かって返事をする。
そしてフェイトの隣に立ち、部屋の入り口に立つ少女を見つけると
驚いたようでわずかに目を見開く。

「フェイト、あの子は?」

「詳しいことはわからないけど、ゲオルグを弾き飛ばしたのはあの子だよ」

「はぁ!?」

固い表情で言うフェイトの言葉に驚きの声をあげる。

《フェイトさんの言っていることは本当ですよ。
 あの子の攻撃によってマスターは弾き飛ばされたんです》
 
「そうなのか・・・・・」

ゲオルグはレーベンの声に対して呟くように言うと、
改めて少女の顔をまじまじと見た。 そして、その額に輝くモノに気付く。

(あれって・・・・・)

「フェイト。
 あの子ってひょっとしてあの研究所で見つけた書類に書かれてた・・・・・」

少女が何者なのか、その答えになるであろうひとつの仮説に行きつき、
ゲオルグは小声でフェイトに話しかける。

「うん。 たぶん、そう」

ゲオルグが最後まで言い終わらないうちに、フェイトはその言葉を遮って
ゲオルグの考えに対する賛意を表した。
その表情は硬く、またその声はわずかに震えていた。

(あれ・・・?)

フェイトの声が震えていることにゲオルグも気づき、
フェイトの方に目線を向けた。

(・・・・・っ!?)

フェイトの様子を見たゲオルグは思わず息をのんだ。

フェイトの右手はバルディッシュの柄を腕に血管が浮き出るほど
固く握りしめており、カタカタと小刻みに震えていた。
フェイトの唇は自身の歯によって強くかみしめられていた。
フェイトの目には怒りと悲しみが入り混じった炎が揺れていた。

「フェイト・・・だと?」

ゲオルグがフェイトに声をかけようと口を開きかけたとき、
エメロードの驚きを含んだ声が部屋の中に響いた。
それにつられてゲオルグがエメロードの方に目を向けると、
両の目を見開いてフェイトを見つめるエメロードの姿が目に入った。

「君がフェイト・テスタロッサか!?」

エメロードが大きな声をあげ、フェイトとゲオルグはそれにつられて
エメロードの方に目を
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