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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第24話 「……もう、決めたから」
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  ―― other side 洛陽 ――




「劉景升殿!」
「ハッ!」

 洛陽城の内部、温徳殿にある謁見の間にて、献帝による恩賞授与が行われていた。
 並み居る列強諸侯において、最初に呼ばれた名は荊州牧である劉表その人である。

「悪逆な董卓を打ち滅ぼし、漢の大事を救いし事、誠に大義! よって、彼の者に鎮南将軍の号を与え、成武侯に封じるものとする!」
「恐悦至極に存じます。謹んで拝命仕りました」

 文官の言葉と共に、その身分を示す証が下賜される。
 それを恭しく受け取りながら、劉表は表情を御簾(みす)に隠した天子を見る。

 その表情を窺い知ることはできなかったが、劉表には恐らく不満に思っているのではないかと思えた。

 劉表自身、献帝が未だ陳留王になる以前、いや……幼少の頃からの劉協を知っている。
 まかり間違っても帝の位を欲しがろうとする人物ではなかった。
 控えめに言っても愚鈍(口には決して出せないが)な父である霊帝を慕っていたとは言えず、むしろ異母兄である劉弁……少帝弁と仲が良かった。
 そしてその聡明さ故に、自らは兄を支えていきたいと思っていた程の心の優しい少年だった。

 だが、状況がそれを許してはくれなかったのである。

 異母兄である少帝弁は、董卓の……いや、張譲の手によって殺されている。
 劉表は、献帝の心労を想い、深く頭を垂れた。

 そして自身の控えの場所へと戻る。

「曹孟徳殿!」
「ハッ!」

 次いで曹操が呼ばれる。
 これには、その場にいた諸侯が驚きの目を見開くことになる。

 曹操は西園八校尉の典軍校尉であり、?州牧ではあるが、その序列は決して高くない。
 むしろ劉表の傍に控える袁術の方が上である。

 にも拘らず、曹操が呼ばれた理由とは……

「この度の連合を『発起』し、董卓を打ち滅ぼした快挙、誠に大義! よって、彼の者に鎮東将軍の号を与え、費亭侯に封じるものとする!」
「…………謹んで、拝謁仕ります」

 曹操は、その金色の髪を優雅に棚引かせて頭を垂れる。
 だが、その表情は決して晴れているとはいえない。

 なぜならば……

(こんな……こんな茶番! しかも私が、功を譲られるですって……!?)

 内心の怒りを必死に出さないよう、懸命に堪えていたからであった。
 思わず、頭を垂れつつも、後方に居る劉備を睨む。

 その劉備は、目を閉じて何も見ないようにしながら、身動き一つせずにその場で拝礼していた。

「なお、孟徳殿には帝直々のお召により、その後見をされるように」
「……ハッ。有難き幸せに存じ奉ります」

 その言葉で、周囲の何も知らない諸侯と文官たちの目が変わる。
 連合
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