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駄目親父としっかり娘の珍道中
第51話 結局子供は親が好き
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らお前は何時まで経ってもマダオネ。うだつの上がらない駄目人間ネ」
「グズッ、何で俺こっちの世界の住人になっちまったんだよぉ。そっちの世界に行きゃぁ、少なくとも良い目は見れたんだろうよぉ〜」
 今年で38歳にもなろうと言うおっさんが少年少女に言いたい放題言われて泣きが入ってしまうとは、心底情けない限りだったりする。
 ふと、一緒に走っていたなのははリンゴの入ったかごを眺めていた。どうやら何か問題が発生したらしい。
「どしたぁ? 青春の思い出でも置いて来ちまったってかぁ?」
「リンゴ余ったんだけどどうしよう?」
「んなもん持って帰って俺達で食えば問題ないだろう? 一々そんなので悩むんじゃねぇよ」
 面倒臭そうに頭を掻きながら銀時は諭す。どうやら2,3個だけリンゴが余ってしまったようだ。ってか、浪人達に配って更に余るほどってどんだけ用意したんだこの娘。
 そうツッコミをしたくなるだろうがそれは野暮なので止めて欲しい。ツッコミしたいと言う方は片隅でそっと囁くようにお願いします。いやマジで。



「うっし、そろそろ着くぞ」
 長い長い一本道も間も無く終わりを迎える。後はこの先にあるエレベーターに乗れば無事に此処を出られる。長かったようで短かったこの依頼もようやく終えられると思うと新八はホッと安堵の気持ちに至れた。
 銀時を先頭にして通路を出て、エレベーターまでの短い道のりに差し掛かった。目の前に見えるは二枚扉式の分厚い鉄製の扉に守られたエレベーターだ。あれは1階まで繋がってるのであれに乗ればすぐに地上に戻れる。
 喜びの表情で顔を繕っていた新八だったが、ふと辺りの違和感に気付いた。
 変だ、この通路には浪人が一人も転がってない。
 今までの道では銀時が蹴散らしてなのはがそっとリンゴをお供えした浪人達でごったがいしていたと言うのに、此処にはその類が全くない。普通此処は一番大事な場所の筈だ。それだけ警備が厳重になってもおかしくない筈なのに一体何故?
「何故だと思う〜?」
「!!!」
 後ろから突如声がした。振り返った時、新八が感じたのは高速で何かが横切った感覚だけだった。
 風圧が体中に押し当てられる。そして、そのままの勢いでそれは先頭を走っている銀時に迫った。
「ぎ、銀さん!」
「ちっ!」
 咄嗟に身を翻し銀時は木刀を薙ぎった。その一瞬の攻防の後、銀時の背後、エレベーターの前には一人の男が立っていた。
 銀色のリーゼントじみた髪型をし奇妙な色の眼鏡を掛けた男だ。
「答えは簡単さ、俺だけで此処は守り通せるから。俺以外の奴が居たんじゃ返って邪魔なだけなのさ」
 まるで新八の疑問に答えるかの様に呟きながら男は振り返った。見れば、男が振るったであろう刀は鞘から出ていない。一瞬の内に抜刀し、一瞬の内に納刀したとしか考えられな
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