暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
8.裁縫職からの依頼
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れらに備えて事前に色々と打ち合わせをした。
 その中で基本となるのが、今言ったわたしら三人のフォーメーションアタックなのだ。
 ネリーの言った《威嚇(ハウル)》とは、自分に対する敵の憎悪値(ヘイト)を増幅させ、注意を引き付けるスキルだ。これが結構便利なスキルなのだけど、その分扱いも難しく、アルゴさんに教えてもらってからたくさん練習していた。
 レイアの言った《インテンスビート》とは、一時戦闘不能(スタン)効果の高い鞭スキルの中でも、それに特化したソードスキルらしい。まあ、その分威力はスズメの涙みたいなんだけどね。
 で、二人がお膳立てをしてくれる分、わたしは威力重視のソードスキルを思いっきり敵にぶち込めるというわけなのだ。

「…………そろそろだ。三人とも、バートさん、武器を」

 自分の武器である両手槍を背中のベルトから外しながら言ってくるキリュウさん。
 周りは先ほどから太い木々で覆われ、細かい枝葉を退けながら進んで来たが、事前に渡されたマップ情報によれば、目的地はもう目と鼻の先。わたしらは小声で「はい」と返事をして、各々の武器をとった。

「……居るな。この先の開けた場所にかなりの数の反応がある。気を引き締めていけ」

 キリュウさんの声に緊張するわたしたち。

「三人は作戦通りに。バートさんは俺とペアで行きます」

 小声で言うキリュウさんに、みんな無言で頷いた。
 わたしは剣を持つ手にギュッと力を入れ直して、合図と共に反対の手でランタンを掲げながら闇の先へ歩を進めた。








「…………あ、あれ?」

 木々の間を抜けると、かなり大きく開けた場所に出た。
 ここが目的地だろうと思うのだけど、正面を扇状に照らすランタンの光に肝心のフラッフ・オウルは一匹も照らされていない。

 ――あれー居ないよ? どういうこと?

 意気込んで来ただけに少し肩透かしを感じてしま――

「チマッ、上だよっ!!」
「っ!?」

 ネリーの声に、反射的にランタンを頭上に掲げた。

 ――うわキモッ!!

 自分の約四、五メートル上空の複数の木の枝に、白い影がズラリと並んでいた。
 全長一メートル以上はある白いもこもこしたフクロウだ。頭が大きく、ほぼ二頭身。ここまでは良いんだけど、メガネザルのような大きい丸々としたギョロ目が、生理的に「にょわっ」ときてしまう。


「ホルォルォルォォォォ――!!」


 光に照らされて怒ったのか、絶妙な巻き舌を披露するように鳴きながら何匹かのオウルが前に倒れ、そのまま重力に従うように急降下してきた。

 ――やっば!?

 呆気に取られたわたしは一瞬固まってしまった。
 来ることは解ってるのに、体が動いてくれない
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