暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
7.突然な出会い
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「セッ、ヤアッ!」

 あたしの放った剣技(ソードスキル)が、獣頭の亜人型モンスター《ルインコボルト・トルーパー》の体に、淡い水色に光輝く×字の軌跡を刻み付ける。

 片手用直剣二連撃技《エクス・スラント》。

《スモール・ソード》から《アイアン・ソード》へと武器をクラスチェンジして攻撃力の増したあたしのソードスキルにより、コボルトのHPは一気にその九割が無くなる。攻撃を受けて体を仰け反らせるコボルトと同時に、あたしの体もスキルの強制技後硬直により一瞬だけ動けなくなった。

「……レイア」
「はいっ」

 後ろで指示を出すキリュウさんの声にレイアが応える。
 直後、背後からあたしを回り込むようにして閃光が走り、仰け反っているコボルトの横っ面にバシィィン!! という効果音と共にそれが当たった。

 鞭スキル基本単発技《アンジレイト》。

《鞭スキル》は、攻撃力は他の武器のソードスキルに劣るけど、その分、攻撃を与えた時に敵を一時行動不能化(スタン)状態にし易いという特殊効果を持っている……らしい。
 既に一割しかなかったコボルトのHPバーが全て無くなり、攻撃を受けた仰け反りポーズのまま硬直後、パリィィンと爆発。キラキラと光るポリゴンを撒き散らしながら次第に薄れて消えていった。

「――うんっ。今のけっこう、イイ感じじゃなかった?」

 硬直が解けたあたしは、剣を鞘に収めながら後ろのレイアに振り返って言った。
 この前のレイドクエストで手に入れた鞭の扱いに、レイアがようやく少し慣れてきたのだ。だから今日は、未だ慣れない鞭との連携の練度を上げるために、あたしがメイン(タンク)、レイアが支援(サポート)で、キリュウさんとチマがあたしたちを見守りつつ、危なくなったら加勢するという布陣で戦闘を行っていた。

「そうかな? ……うん。ちょっとだけ、自信は付いたと思う」

 レイアが、その流れるような銀色の長髪を左手の指で耳にかけながら首を傾げて言った。四日前に寄った村で装備を変えて、今はその細身の体にクリーム色のレザーチュニックとレザーパンツを纏い、膝近くまであるレザーブーツを履いて薄地のレザーブレストを上から着込んでいる。そして、薄手のレザーグローブを装備した右手には《赤い鞭》――先日のレイドでのドロップ装備、《リブリサージ》を持っていた。

「……そうだな。二人での連携はもういいだろう。……今度はチマも戦線に加わってくれ。三人での連携を試す」
「りょーかいッス〜」
「はい」
「わっかりましたっ」

 キリュウさんの言葉に応えるあたしたち三人の声が、此処、《第一層迷宮区》の薄暗い通路に響いた。








《エウリア村》での、あの《大規模戦闘(レイド)クエスト》か
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