暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter38「理想と真実の物語〜負債は道連れと共に」
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
見知らぬ部屋で目覚めるルドガー。
バーらしき店に設置されたテレビからは、ニュースが耳に入ってくる。

[完成したばかりの自然工場アスコルドへ暴走した列車が脱線衝突し、大敗しました。被害規模と死傷者の数はつかめていませんが、当局は、リーゼ・マクシアとの和平に反対する、テロ組織アルクノアによる、要人殺害を狙った自爆テロという見方を強めています]

ルドガー達が無事だったことは幸いだが、列車がアスコルドに衝突して数えきれない人間が亡くなった事に、異世界で起こった事とはいえはやて達は心を痛め、こんな大事件を自分達の世界で起こさない事を誓う。

『列車テロだってさ。ぶっそうだねぇ』

バーチェアに座る長髪の赤いスーツの男が言葉とは裏腹に感情のこもっていない声で、テレビを見ながらルドガーに話しかける。

『何がどうなってる?』
『ここはドヴォール。線路脇で君たちを見つけたんだが、病院は怪我人でいっぱいでね。やむなく、ここに運んで治療した、というわけさ』

命の恩人だと話す男からは胡散臭さが臭うが、ルドガー達を治療した事に変わりはない。
赤いスーツの男に礼を言う。

『リドウさん、ルドガーたちの様子はどうですか?』

バーの扉を開けて、ジュードが入ってくる。ジュードの無事を確認して安心する。

『目が覚めたんだね!痛むところはない?』
『問題なく治療完了。二人ともね』

ソファーで横たわるエルは目立った怪我もなく、その姿を見て安心する。

『さすがクランスピア社の医療エージェントですね』
『いやいや、俺の医療黒匣が、精霊術より優れているだけだよ』

「うわぁ……嫌な奴」

ヴィータがリドウの態度を見て正直な印象を口にする。
実際リドウの性格の悪さと医療エージェントとしての腕は天下一品だ。
勿論こうなったのには理由があるが、それはルドガーでもわからない事。
GHSが鳴り外に出て行くジュード。

テーブルの上には金の懐中時計が置かれている。列車でユリウスの持っていた物とエルの時計が一つになった事が思い出され、手に取ってまじまじと見つめる。

『うう……ん』

目を覚ますエル。
ルドガーが持つ時計を見て返してとせがむ。

『エルの時計!返して!』

ルドガーの時計とエルの時計が一つになった事から考えれば、厳密にはエルの時計ではないが、子供にわかる理屈ではないのだろう。
現にエルは今後長らくこの時計を自分の物だと言い続けた。

『ケガ、大丈夫なのか?』

時計のことよりエルのケガのことが心配だったルドガーは、素直にエルのことを気遣った。

『……大丈夫……みたい』

自分の体を確認しながらそう話すエルを見て安心する。
だが持っていた時計を腰のポーチにしまうと、エルは黙って
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ