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アマガミという現実を楽しもう!
第15話:ラブリー入部
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」「おはよ」とそれぞれ軽く挨拶を返したり、「昨日は悪かったな」など昨日の出来事で迷惑を掛けたことを謝ったりする。森島は、俺の顔を見ると質問攻めで困っていた顔から、不安の色を浮かべた顔へと変わっていった。何でそんなに顔つきが変わったのか、と疑問に思う。森島から、少し慌てた感じで言葉が発される。


「遠野君、おはよう。え〜っと、その、身体は大丈夫なのかな」


 ああ、昨日の騒ぎで迷惑を掛けたことを気にしていたのか。まあ、そんなに気にすることでもないし気負いすぎることはないよ。俺は、森島を気遣い穏やかな様子で声を掛ける。実際は凄いやせ我慢であったが。


「少しだけ脚が張ってるだけど大丈夫。特に問題は無いよ」
「そっか、ごめんね。私が迷惑を掛けたばかりに、遠野君に酷い事しちゃったよね」


 だが、「脚が張っている」という俺の言葉に森島の顔は更に暗くなり、森島の口から発されていた声のトーンも下がった。その様子から森島がしょぼんとしている様子が、俺にはっきりと伝わってくる。流石に場の雰囲気をぶち壊すのはよくないし、美人が落ち込んでいる姿を見ているのは、ドラマみたいに絵にはなるが長く見ていると気が滅入ってしまう。


「ああ、いや。まぁその、なんだ、気にしないでくれよ。脚はこんなんなったけど、俺は退屈な日常から抜け出して楽しかったんだ。だから、森島さんが心を痛めなくてもいいんだ」
「本当に?」
「本心からだ」
「そっかそっか、ありがと。…ふふふ」


 森島はほっとしたのか、表情が笑顔に戻っていた。そして笑い出したので、疑問に思った俺は「ん、どうした」と森島に笑い出した理由を尋ねる。


「いや、君って優しいなぁ、って思って。」
「そうか、普通じゃないのか?」


 「優しい」とは元主将や響、知子、それに逢、橘、梅原などから言われてきたが、別に森島に対して其処まで気を回した訳でもない。好きな子をついつい虐めるとか、接し方が分からずぶっきら棒になるなどの子どものような振舞い方をせず、歳の割には大人びた行動が見られるから、その点が優しいと評価されているかもしれない。


「ううん、男の子の中じゃ遠野君みたいな子は初めてだよ。私にとっては」
「ふうん、そんなもんかね」


 そのようなやり取りをしている時、横の席にいる夕月が俺の肩を叩いて呼んでいる。夕月の方を振り向くと、


「おい遠野、ラブコメしてる暇があったらアンタも茶道部として手伝ってくれよ!」
「別にラブコメをしているつもりは俺には無い。…茶道部が森島さんと何か関係があるのか?」
「茶道部への勧誘さ!なんたって森島さんは美人で1年生だ。この人材を逃す部活が他にいるとは思えないね。そこで、アタシ等茶道部が勧誘!」
「先物買い」

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