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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
遥かに遠き刻の物語 〜ANSUR〜 Y
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最大禁呪“ラグナロク”によって、次々とヴィーグリーズに居た人命が失われていく。その“ラグナロク”発動地点。強烈な衝撃波が生み出され続ける中心である漆黒の光球。

「「ここに今、誓いを立てる」」

そこに過去ルシリオンとフノスが、生き残った同盟連合両軍の兵たちを逃がすために、そして“ラグナロク”を再封印するためにいた。過去ルシリオンは“ラグナロク”を封じるために完全解放した“グングニル”や他無数の神器を、発動地点を囲う様に突き立て結界を展開、神器群を維持していた。それと並行して行われようとしている魔術。

「我、フノス・クルセイド・アースガルド」

「我、ルシリオン・セインテスト・アースガルド」

過去ルシリオンとフノスが互いに自分の両手の親指の肉を切り、手の平を重ねるようにして傷口を合わせる。今行われているのは“契約(メンタルリンク)”と呼ばれる、魔術師における主従の契りを結ぶ儀式魔術。自分と相手の傷口を合わせ、血と魔力を混合することで魔力炉(システム)をリンクさせるというもの。

「「我ら、ここに誓いを築き、主従の理を宣言す」」

そして魔力をどちらからでも送ることが可能となる。魔力炉(システム)に掛かる負担も分けることで、片方の無茶な術式を補助することが出来ようになる、本来は主従を誓うための儀式。しかし今、2人が行っているのは“ラグナロク”を停止させるために必要な魔力を用意するための緊急用のものだ。2人の魔力炉(システム)がリンクを開始し、混合し暴れ回る魔力を制御する。

「「契約(メンタルリンク)」」

そして最後に、過去ルシリオンとフノスが口づけを交わす。儀式は晴れて終了となる。フノスを主とし、彼女から流れ来る魔力を、過去ルシリオンは結界を構築する神器群に流し、結界の効果を最高にする。
“ラグナロク”の破壊が一時的にとはいえ停止するのを確認したフノスは、悲しそうな表情をする過去ルシリオンに微笑み返す。対する過去ルシリオンは、自分が犯した後戻りできない罪に歯噛みし、フノスに見えないように涙を流した。

「目覚めて。私の神剣・・・グラム!」

魔道王フノスの有する神器――神造兵装第2位・“神剣グラム”。“グングニル”と同様にクリスタルのような剣身を持つ両刃の剣。その“グラム”が虹色の輝きを放つ。フノスはの固有能力・“空間干渉”を発動。“空間干渉”を、今から放とうとする真技に付加する。その様子を背後に感じ取った過去ルシリオンが「すまない」と激しく後悔した表情で呟く。もちろん、フノスには届かない。謝って許されるようなことではないのだから。

「っ・・・くそ・・・。今だ!」

後ろに控えていたフノスが、過去ルシリオンの合図とともに“ラグナロク”の中心へと駆ける。銀の長髪が波打ち、コバルトブルーの瞳
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