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SAO−銀ノ月−
第六十一話
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しくて……だから、リーファちゃんに伝言を頼みたいんです」

 パーティーメンバーが……ひいては、パーティーリーダーがスパイの可能性があるから、レコンは証拠か自分の勘違いかレプラコーン領に残るということ。事を大事にしたくないので、メッセージは使わないということ。……ずっと連絡が無かったら、連絡不能にさせられていると思うので、シルフの領主館に連絡をして欲しい、ということ。

 それが、レコンが俺たちに頼んだリーファへの伝言だった。

「メッセージで連絡したら、リーファちゃん、多分怒ってこっちに飛んで来ちゃうので……よろしくお願いします」

「ねぇ、ちょっと。あんた……レコン、だったわよね」

 直情的なリーファのことを苦笑いしながら語るレコンに対し、俺より先にリズが沈黙を破る。話の途中では、一人だけレプラコーンかつ初対面ということもあり、沈黙を保っていたが……彼女ならば、言うことは決まっている。

「そのスパイがどうか調べるのって……あたしたちも手伝えない?」


「ええっ!?」

 リズの突然の申し込みに、レコンは目を見開くように驚いた。まさか初対面のレプラコーンに、そんなことを言われるとは思っていなかったのだろう。

「相変わらず、リズはお人好しでお節介焼きだな」

「ふふん。あんたもでしょ、ショウキ」

 照れくさくてちょっと皮肉混じりの口調で話しかけたものの、リズには簡単に真意を看破されてしまう。そんな現実にため息をつきながら、俺もレコンに対して申し出た。

「リズに先は越されたけど……レコン。俺だって魔法やこの世界には詳しくないが、知っての通り戦闘は出来る。護衛ぐらいにはなるはずだ」

 護衛とはまた、あのデスゲームを感じさせる懐かしい単語だ。……しかしこれでは、リズに言われたから俺も言ったように感じられて、少し不満足である。

「ありがたいですけど……お二人には関係な――」

「俺もシルフだからな。関係ないことはない」

 レコンの言葉に先んじて、コートの緑色の部分を指す示す。すぐ世界樹に向けて出発するので、シルフ領が関係ないと言えば関係ないのだが、シルフ領に何かあれば、リーファの案内も無くなってしまうだろうし。

 ……最初から手伝う気なのに、こうして理由を捻り出すのは悪い癖か。

「それに、これであなたに何かあったら、そのリーファって子にも申し訳が立たないし……ね」

「でも、その……リズベットちゃんは戦えるの?」

 その、ある意味予想していなかったレコンの一言に俺は吹き出し、リズは口をあんぐりとした顔で固定させた。……驚いて言葉が出ないということだろうか。

「ちゃ、ちゃん!?」

 まさか高校生にもなって、ちゃん付けされて呼ばれるとは思っていなかったよ
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