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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
乙 F
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「・・・へえ?」
「これは予言どす。坊やはこれ以上、こちらの攻撃を防ぐことはおろか、私にダメージを与えることも出来ずに負ける。」
「言霊・・・それも、古いタイプか?まあなんにせよ、大した自信だな。随分となめられたもんだ!」

一輝はそう言いながら一瞬で団長の懐に入り込む。

「鬼道流剣術、立ち。三の型。逆駆け(さかがけ)!」

そして、あごに向けて下から峰を打ちつけ、脳震盪を狙う。

「ふぅ・・・手ごたえあり。」

明らかにもろに入ったのだが、団長は後ろに倒れながらも、ニィ、と笑い・・・一輝の全身に、深めの切り傷が出来た。

「・・・あれ?」
「「一輝!!?」君!!?」

そんな一輝の様子に飛鳥と耀は声を上げるが、一輝自身はそこまであわてていなかった。

「ほら、いうた通りやろ・・・?貴方では私には勝たれへんで。」
「・・・まあ、このまま行ったら、勝てないだろうな。」
「なにを・・・!?」

一輝は水を高温にして水蒸気をぶつけ、その隙に距離を置き、ギフトカードから量産型妖刀を取り出し、抜刀する。

「つっても、俺にはまだ切り札があるし。・・・人々に知を与えし霊獣よ!」

そして、檻の中の存在を召喚する言霊を、唱える。

「中華の国にて妖怪たちの長となりし霊獣よ!今その身を、我が為に、我が眼前へと顕し、我が命を聞け!」

一輝が殺した、霊獣を召喚する言霊を。

「今ここに顕現せよ、白澤!」

一輝が言霊を唱え終わると、一輝の体から光り輝く霧が出てきて、固まり、白澤の姿をとる。

「な・・・オイ、あれって・・・」
「間違いない・・・霊獣、白澤だ!」
「人間が白澤を召喚したぞー!」

一輝のすぐ横に霊獣である白澤が召喚されたことで、客席が一気に賑やかになる。

「・・・オイ、小僧。何だあの言霊は。我、白澤ほどの存在に我が命を聞け、など無礼にもほどがあるぞ!」

が、白澤はその一輝に対してそんな事を言う。
観客はそれで落胆したような反応を示すが・・・

「うるさいぞ、白澤。」

一輝はそんなこと気にも留めず、白澤に笑顔を向ける。
十人が十人震え上がる、殺気を込めた笑顔を。

「大人しく言うこと聞け。さもないと・・・今度は、あの時以上の拷問をするぞ?」
「調子乗ってスイマセンでした!何なりとお命じください!」

一輝の言葉で白澤が一気に態度を変え、観客席はただの人間に怯える白澤を見て、再び盛り上がる。
大したことないと思っていた人間が、予想以上の大物だった、と。

そして、そんな様子の観客に対して、一輝は芝居がかった口調で語りかける。
全体に伝わるよう、大声で。

「ご来場の皆様!僕の試合、ここまでは相手の実力を知るためにつまらないものになって
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