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赤城と烈風
★改訂前
未完成艦の復活
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 1916年10月9日『ロドニー』、16日『ハウ』、1917年11月9日『アンソン』の建造が開始された。
 翌年10月『フッド』級3隻の建造取消が命じられ、1919年3月17日解体着手後に姿を消している。

 1920年9月30日、呉海軍潜水学校の創設時ヴェルナー中尉に講義の要請が舞い込んだ。
 『UB125』日本回航時の艦長、樋口修一郎大尉の援護は無視できない。
 12月6日『赤城』、16日『天城』起工後3・4番艦の着工時期は遅れた。
 排水量4万トン超の軍艦は横須賀、呉、川崎神戸、三菱長崎の計4個所しか建造できない為だ。


 1921年10月24日、ワシントン海軍軍縮会議が開催された。
 11月11日時点で測距儀を備えていない『陸奥』の解釈、未完成艦に含め廃棄の第一案が激論を呼ぶ。
 英国代表は『陸奥』と『コロラド』級2隻の復活、代償として新型戦艦2隻の建造を望んだ。
 『サウスダコタ』級6隻と『レキシントン』級6隻の建造、『コロラド』級3隻の艤装は着実に進行中。
 合州国東岸の戦艦建造能力、大型船台数の隔絶は無視できない。
 日本代表に保有枠6割承認、代償として指定地域は要塞化禁止受諾を薦めた。

「防衛力制限は軍事侵攻、世界大戦の惨禍を繰り返す事態に繋がりかねません。
 戦艦建造競争の愚を繰り返さぬ為、防衛力無制限を望みます」
 島村速雄の演説後、合州国代表が黙り込む。
「世界平和維持の為、主力艦の保有枠は更に削減が望ましい。
 基準排水量1隻3万5千トン制限案に基き、13隻、8隻、5隻と致しませんか?」
 フランス代表も続き、英国代表が眉を顰める。

「『陸奥』は廃棄対象ですが、練習艦に転用を望みます。
 装甲板撤去、最大速力18ノット、主砲3基の条件で納得いただけませんかな?」
「賢明な提案だ、我が国に異存は無い」
 島村速雄に続き、合州国代表の声が響く。
 3連装14インチ砲4基の戦艦5隻は短期間で撤去、16インチ連装砲4基に換装可能。
 揚弾筒4基の重量が減り、装甲厚を増し耐16インチ砲弾防御に変更も容易い。

「それでは我が国のみ、不利となる!
 断じて、受け容れる訳には参りませんぞ!!」
「『フッド』の姉妹艦3隻の解体、既に終わっていますか?
 1隻は解体業者の都合で遅れ、残っていたとしても、不自然とは思いませんよ」
 英国代表が憤激を鎮め、フランス代表に頷く。
 『ドレッドノート』竣工後、従来型戦艦は価値が暴落している。
 列強の角逐を仲裁、妥協に導いた言葉の魔術師を高く評価する歴史家は多い。


 島村速雄軍令部長は帰国後、未完成艦改造費も削った。
「『ドレッドノート』竣工後『筑波』型2隻、『周防』型2隻の評価が覆った教訓を忘れるな。
 実験は『赤城』
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