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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第8話「私、向かう」
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と使ってみようかしら』

そう言って、これ食ってもいいかな袋から水を喚び出す。ただの真水ではあるが、

これに部屋にあった紙をちぎって入れてしばし待った。そして

昔読んだTRPGリプレイのように精霊に呼びかけてみる。

『水の精霊よ、真の水を我に!』

イダはそういうが…そう言って、精霊語を使ってみるが、何も起きはしない。

『やっぱ無理か…水を真水にする魔法とか、絶対あると思ったのに』

『無理じゃとわかっとったのかい』

ヤズの呆れた声に、イダは『そんな気がしただけ。多分、なんか決め事的な感じで、

なんかやんないといけないんじゃないかなー』と曖昧な言葉を紡いでドアを開ける。

ギィ、と小さなきしみ音がしてドアは開き、そしてイダは『お風呂入ってくる』と言って

下へと去っていったのであった。



「ほへ、精霊魔術までやろうとしてるにゃ?すごいにゃあ」

ナイフをイダの首に押し当てながら、グウェンはそう言って笑った。

いつもの森の喫茶店で、今日も今日とて特訓である。

「そうよ。出来れば弓も習いたいんだけど…うーん…」

その言葉に、グウェンはにゃるほど、と言って腕を組んだ。

「確かに、盗賊と精霊使いを兼任する奴も多いし、

狩人と一緒にやる奴はそれより多いにゃ」

それは、重装備になればなるほど、特定の精霊を集めにくくなるからだ、と。

「重い武器には魔法を掛けることもあるにゃ。厚い鉄に覆われたら、ノッカーくらいしか

答えてくれる精霊もいなくなるにゃ。だから、軽装で戦う盗賊や狩人にゃあ。

いっがいと考えてるう」

ケラケラ笑いながらそういうグウェンに、イダはむっとして

「何よ、そのいつも鼻にも考えてないって思ってるって告白」

と唇をとがらせる。

眉が危険な角度に釣り上がるのを確認したグウェンは、慌てる様子もなく、

額に一筋の汗だけを見せて、「さ。つづきにゃう」と言って、イダを立たせる。

「そんなに精霊使いになりたいなら、コウジンにきーてみれば?」

たしかにそれはイダも考えてはいた。

だが、あれからジェイガンはカヴェリに来てはいない。

そして、コウジンやモンジンなど、エルフの戦士たちと会うことはもっと稀だった。

頼もうにも本人たちが来ないのでは仕方ない。遣いの森は本来立入禁止なのだ。

そのため、可能性として半ば除外し、独学でやろうとしていたのだが。

「まあ、それはね…うん、今はいいよ。続き、やろう」

グウェンに向き直る。グウェンもナイフを構えて、それに答える。

「細かいことは出来る時に考える!時間はあるんだから!!」

グウェンの鳩尾を狙って、木製ナイフが閃き、それを彼
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