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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第4話「私、もう少し試した」
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よ!全く、あんたらと居るとほんとそればっかり!あのバカ親父がァ…!」

ギリギリと歯を軋ませ、イダもまた歩いていく。その表情には怒りがあった。

「まあ、あれにゃ。人間の一生は短いからにゃー心配するのもわかりる、わかりた」

グウェンがそう言ってジェイガンの前に躍り出て、ニヤニヤと笑う。その表情に父と同じ物感じたイダは

そこら辺の枝を拾ってグウェンに投げつけた。それは大した威力もなくグウェンの被っているフードにあたって、

グウェンは軽く「いて」と声を出した。恨めしげにイダを見つめると、「ひどいにゃ」と呟いた。

「どぁれぐぁごまかされるかぁ〜〜〜!何年の付き合いだてめぇぇーーーーッ!」

イダはその、知らない人なら万人が保護したくなるだろうグウェンの表情にマジ切れした。

背中から炎が見える、と評したのはジェイガンだったか、そうではなかったか。

「いい!?私は結婚する気もなきゃあ、彼氏を作る気もない!そういうのはしたい人がするべし!!」

そう言って拳を握ると、「そういう面倒くさいことは、ほんとに好きじゃないとできないだろうし、ほんとに

好きな人だけやってよ。もう。お父さんとお母さんは面倒くさいことも

うっちゃれるくらいお互い好きなんだろうし」と色々と噴飯物の意見を述べていた。

ある意味で幼い恋愛観だが、彼女には友だちが少ない。具体的には、目の前のジェイガンとグウェンしか

友人らしい友人がいない。つまり、まともな人間の恋愛観を持っている人間が周囲にいないのである。

更に、転生前の日本人は恋愛に対する情熱を失いつつあった。それどころか、婚姻をすることによるメリットも、

様々な「便利」によって駆逐されつつあった。草食系と呼ばれる既存の消費活動に興味を持たない層の増加は

つまるところ、便利すぎるがゆえに起きている現象、という一面もあったのだ。

そして、彼女もまたそうした草食系の一人だったことが彼女の恋愛への興味不足に拍車をかけている。

こうした恋愛観しか無いのもしかたのないこととは言える、言えるのだが…

「イダ。あまりそれは人前では言わないほうがいいぞ。宿の経営に関わるならなおさらだ」

「そうそう。結婚してる人とか、恋愛願望ある人とか、逆に自由に恋愛できない人とかに反感買うにゃ。

人間は特に自由に恋愛できないからにゃあ。この国ではできるけどにゃあ」

他の国から来てる連中もいるから、気をつけろ、とグウェンは言った。

そう、こうした意見は反感を買う。現代日本ですらそうなのだ。未だ自由恋愛という概念が薄い世界である

この世界では、異端扱いされてもおかしくないことはイダにもわかっていた。

それでもプロイスジェクの文化水準は16〜17
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