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リリカルってなんですか?
A's編
第三十一話 裏 後(なのは、レイジングハート、リィンフォース、武装隊、すずか)
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ら火柱を立たせるなどといった、おおよそ荒唐無稽としか言いようのない風景を作り出していた。しかも、それは、闇の書自身が作り出したものではない。ただ単にこの位相空間の魔力が呼応しただけの結果なのだ。

 普通に考えれば、天災レベル。つまり、地面に伏して通り過ぎることを待つしかないような空間。だが、それでもレイジングハートのマスターである高町なのはは立ち向かう。そう決めたから。彼女の友人である蔵元翔太に闇の書を止めることをお願いされたから。だから、彼女は立ち向かう。

 ならば、彼女のデバイスであるレイジングハートがとりうる道は一つしかない。マスターの願いを叶えてこそデバイス―――インテリジェンスデバイスの本懐。よって、共にこの災害に立ち向かうしかないのだ。

 そして、そのために出した手札の一つ。元来の闇の書から無理やりはぎ取ったとでもいうべき守護騎士システムとそのデータたち。毒には毒を、と言わんばかりにもともとの持ち主にぶつけてみたものの全く使えない。

 彼らの魔法による攻撃、デバイスによる攻撃。そのすべてが闇に書にとってはなんら意味を持たないものなのだろう。まるで、空気のように彼らの攻撃を無視している。今の彼らは、相手の注意を逸らせるという意味で言うならば、蚊にも劣る存在だった。

 だが、解析してみても不可解な話だ。彼らの攻撃力は決して低いわけではない。魔力ランクで言うならば、Aクラスの攻撃はされているだろう。だが、それでも闇の書はまったく意に介した様子はない。闇の書が対処するのはレイジングハートのマスターであるなのはの砲撃だけである。

 何かしらの魔法が作用していると考えるのが妥当か。闇の書から感じる魔力を換算しても、その身に纏うAランク相当の魔力だけで掻き消せるような量ではない。単純に何かしらの作用が働いていると考えるべきである。何らかの魔法ではあろうが―――仮に命名するとすれば、『闇の衣』であろうか。

 もっとも、そんなものを気にせずに、守護騎士すら無視してなのはが勝負を決めることは可能だ。JSシステムという切り札の一つを使えば。しかし、それは彼女を『止める』という条件によって切れない手札になっていた。

 止める方法としては、魔力ダメージによる気絶が考えられる。しかし、JSシステムを稼働させた場合、出力を最低に絞ったとしても彼女が―――闇の書はともかく、中の主である八神はやてが無事である確証はないのだ。大丈夫と断言するためには今しばらく解析の時間が必要である。だからこそ、なのははJSシステムを使わずに単騎で勝負を仕掛けている。

 それでも、砲撃がしっかりと入ってしまえば、気絶させることは可能だろうとレイジングハートは試算している。だが、砲撃を直撃させるためには、守護騎士が動いて意識をそらせるか、なのは自身
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