暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
記憶を綴じて ─フェンサー(T)─
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の部屋に居てはいけないレベルの美人、しかも生まれたまんまの姿の美女があまつさえお帰りなさいだなんて声を掛けてきてこっちはそれどころじゃないってか何これ、押し倒してオッケーてこと?
 つかさっき今日一日分の記憶を消去して出来た空き容量に新規フォルダ作って保護設定掛けてCPUコア4つ分くらいの処理速度で『名前をつけて保存』を連続クリックっていうか、あ、ダメだもう容量一杯になっちまった他に何か、何か消してもいい記憶はないかえぇい三年分くらい記憶容量空けろって!?!?





「? マスター?」
「──────誰か人間用外付けハードディスクください」

 俺の心底から漏れ出た本音だった。



「や、おま、ばっ、何て格好してんだよっ、何で俺だけが焦ってんだよ!?」
「え? だって見られて恥ずかしい身体してないもの」
「あーあー! 確かに見事なナイスバディだよ、ぐうの音も出ない次元で完璧なスタイルした美女だよおまえは!!
 それはわかったから、早く何か着てくれって!」

 このままではマジで思考回路が変な方向にスイッチが入ってしまう。
 それは男として、フェンサーのパートナーとして絶対にあってはならない。

 シャットダウン、再起動、シャットダウン、再起動、シャットダウン、再起動、シャットダウン、再起動………………

 くっそ、人が懸命に脳の機能を閉じようとしてるのに、勝手に再起動かけやがって!
 かと思えば一番重要な目なんて、かれこれ数分間は瞬きすらせずにフル稼働してやがる!

「あ、でも見せてもいいのはレイジだけよ?」
「そんな言葉の追い討ちかけなくていいから、マジでなんか着てくれよっ!」
「もう、ちょっとのぼせちゃったから涼んでたかったのにー」
「涼むにしてももうちょいやり方あるだろ! ほんと自由過ぎるだろおまえ!」

 言おうと思ってたことや聞こうと思ってたこと、全部が忘却の彼方へと消えていった。





 えーと、本気で俺、フェンサーと何を話し合おうとしてたんだっけ?

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