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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十七話『台風少女の襲来』
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「ねぇねぇ、織班くん、真行寺くん、転校生の噂聞いた?」
次の日の朝、席に着くなりクラスメイトに話しかけられる俺と一夏。
入学式から数週間、そして昨日のパーティーと接する機会が多かったためか、女子たちはもう普通に俺たちに話しかけてくるようになっている。
まぁ、物珍しさは何時までも続かないのが普通だから、俺と一夏は正直助かってる。
遠巻きに見られるのは、俺達としても居心地悪かったしな……。
「転校生? 今の時期に?」
クラスメイトの言葉に、一夏はそう返す。まぁ、こいつの疑問も尤もだ。
今はまだ四月だが、時期としてはあまりにも中途半端過ぎる。しかもこのIS学園は、転入するにはかなり条件が厳しいことで有名だ。
転入の為の試験だけではなく、国の推薦がなければそう簡単に転入することは出来ない。
つまり、その噂の転校生とやらは――
「そう、なんでも中国の代表候補生なんだってさ」
「ふーん」
クラスメイトの言葉に相づちを打つ一夏。そう、可能性があるとすれば代表候補生ぐらいしかありえない。
しかし――
「それは、少しおかしな話ですわね。候補生で転入するという事は、一度入学を断ったという事なのでしょう?
 どうして、今更こんな時期に……」
話が聞こえていたのか、セシリアが俺達の元に来ながらそう言葉を紡ぐ。
そう、セシリアの言う通り、普通に考えればそれもおかしな話なのだ。
代表候補生で言えば、俺のクラスではセシリアがそれに当たるが、彼女達のような存在は一度は国からIS学園の入学を薦められる。
それを受けるも断るも本人の考え次第であり、断った者の中には祖国で訓練に励む候補生もいるという話だ。
無論、途中から転入してくる候補生がいないわけでもないが、今の時期でそういうことは普通は考えられない。
転入という形をとるより、初めから入学という形で入った方が無難なのだから。
「気になるのは分かるが、このクラスに転入してくるわけではないのだろう? なら、それほど騒ぐ程のことでもあるまい」
いつの間にか箒も会話に加わりながら、そう言ってくる。
箒の言う通り、俺達のクラスに転入生が来るという話は聞いていないのだから、深く気にするのはむしろ疲れるだけだ。
「それはそうでしょうけど……」
「まぁ、同じ代表候補生のセシリアなら、気にするのも無理ないわな」
言い淀むセシリアに、俺はそう言葉を紡ぐ。
理由はどうあれ、入学間もないこの中途半端な時期に代表候補生が転入してくるのだ。同じ立場であれば、俺だって疑問に思う。
「どんな奴なんだろうな、その候補生って」
一夏がふと、その疑問を口にする。
代表候補生と言うからには、実力はセシリアと同等だと言うのは容易に想像がつく。だからこそ、純粋に気になったのだろう。
「……俺は予想できてるけどな…」
反面
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