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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十八話『一夏の可能性』
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「やっぱり、一夏に射撃武装を付けるべきだと思うんだよね」
放課後、アリーナに集まった俺達に対して、開口一番にそう言ってくる拓海。
「……拓海、いきなりそう言われても理解できる奴はいないって…」
呆れた口調で、拓海に言い返す俺。事実、俺以外のメンバーも何を言っているのかわからない表情をしている。
「ああ、ごめんごめん。今説明するよ」
そう言って、拓海は空中にディスプレイを投影する。
そこには三つのウィンドウが画面を四分割するかたちで表示され、空いた右下には何かの比率が記されていた。
見ると「SHUUYA」「HOUKI」「CECILIA」と、上から順に並んでいる。
これに一体、何の意味があるんだ……?
「これは昨日に至るまでの一夏の模擬戦の結果なんだけど……。まず右下の勝率が偏ってるのが分かると思う」
言われて俺は、データをよく見る。
確かに右下の謎の文字列が、それらしき記述と分かり、その数値が示した一夏の模擬戦の勝率は個々で偏っている。
まず俺との対戦の場合、ゼファーのみと言うこともあるが4対6で辛うじて俺の方が勝ってる。
一方、箒とは5対5でほぼ互角だ。もっとも彼女の場合は、操縦機が第二世代の量産型の訓練機である打鉄(うちがね)という点があり、機体の能力差を技量でカバーすることで、五分にまで持ち込んでいる。つまり互いの条件をそろえれば、箒の方が強いはずだ。
問題はセシリアとの対戦で、2対8と盛大に負け越している。
「見ての通り、セシリアとの対戦では修夜たちと違って大きく負け越してる。
 白式は『青い雫(ブルー・ティアーズ)』に対してかなり有利な能力を持ってる筈なのにね」
「で、でも、それはセシリアが俺達より操縦経験を積んでるからだろ…?」
拓海の言葉に、少しだけ口篭りながらも反論する一夏。確かに、セシリアは俺達に比べて操縦経験は積んでるし、戦術も豊富なのは確かだ。
だが、それだけでこの開発部主任が俺達を呼ぶわけがない。
「うん、確かにそれはあると思うよ。けどね、今の着眼点はそこじゃないんだ。
 問題なのは、『有利な能力があるのに何で負けているか』……って事なんだよ、一夏」
そう言って拓海は、真っ黒な空白だった三つのウィンドウで、一斉に動画の再生を始める。
これは、俺達の模擬戦の詳細か?
「模擬戦の詳細を見ていて気付いたんだけど、一夏が修夜やセシリアに対して負ける時は、必ず射撃武装に翻弄されているからなんだ。
 加えて、セシリアとの模擬戦の時は、ビットとライフルのコンビネーションに翻弄されている傾向がある」
映像を映しながら説明を始める拓海。
「それでも、勝ちを掴む事はあるけど、そういう時は必ず零落白夜で必殺の一撃を入れた時だね。
 それ以外の時は大抵、ビットで削られるか、油断したところに一撃を貰うっ
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