第七十五層攻略会議にて
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「偵察隊が全滅!?」
場所は現在血盟騎士団本部、シオンたちはヒースクリフの召集メールによって集められていた。そこで聞かされたのは第七十五層の偵察隊が全滅したという知らせだった。
「昨日のことだ。七十五層迷宮区のマッピング自体は、時間は掛かったがなんとか犠牲者を出さずに終了した。だがボス戦はかなりの苦戦が予想された・・・」
「そうだな、何せこれから挑戦するのは“七十五層”だからな・・・」
「どういうこと?」
「エリー、アスナ、第二十五、五十層のボス戦は覚えているか?」
「え、えぇ・・・」
「二十五層の双頭巨人型のボスの時は、軍の精鋭がほぼ全滅。五十層の千手みたいなやつの時は勝手に緊急脱出する輩が続出、お陰で戦線が一度崩壊。こちらも全滅の危機にさらされた」
「覚えてるけどそれと何の関係が?」
「このアインクラッドは全部で百層、そのうちの1/4にあたる二十五層、五十層には他とは段違いの強さのボスモンスターが配置されていた。つまり今回の、第三のクォーター・ポイントにあたる第七十五層にはかなり厄介なヤツがいる可能性が高いってことだ」
「その通りだ・・・そこで、我々は五ギルド合同のパーティー二十人を偵察隊として送り込んだ。偵察は慎重を期して行われた。十人が後衛としてボス部屋入り口で待機し・・・最初の十人が部屋の中央に到達して、ボスが出現した瞬間、入り口の扉が閉じてしまったのだ。ここから先は後衛の十人の報告になる。扉は五分以上開かなかった。鍵開けスキルや直接の打撃等何をしても無駄だったらしい。ようやく扉が開いた時ーーー」
「その前衛の姿はなかった、と・・・」
シオンの問いにヒースクリフは目を閉じ、頷いた。
「転移脱出した形跡も無かった。彼らは帰ってこなかった・・・。念のため、基部フロアの黒鉄宮までモニュメントの名簿を確認しに行かせたが・・・」
「十、人も・・・なんでそんなことに・・・」
「結晶無効化空間・・・?」
「そうとしか考えられないな・・・」
キリトとヒースクリフが話す中、シオンは手を顎に置いていた。
「シオン・・・?」
「どうしたのかね?」
「俺としては空間よりもモンスターの方が厄介だと思ってな・・・」
「どういうことだ?」
「扉が閉まってから五分間その前衛の十人は間違いなくそのボスと交戦した、そしてその十人は五分足らずで全滅。単純計算、一人たったの三十秒で殺られていることになる。これは今までのボスの中で最も攻撃力が高いことを示している。一撃でもくらえばおしまいだ」
「ッ!!」
その言葉にキリトは息をのむ。
「いよいよ本格的なデスゲームになってきたわけだ・・・」
「だからと言って攻略を諦めることはできない」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ