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『八神はやて』は舞い降りた
序章 手を取り合って
第4話 夜天の書、大地に立つ
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だろうか。
 ひとまず、サーゼクス・ルシファーと相対してすぐ、互いに自己紹介をし、敵意がないことをアピールする。
 守護騎士たちにも、控えるように伝えた。


 はぐれ悪魔について謝罪を受けた後、現状について説明を求められた。 
 夜天の書についても、当然追求された。
 素直に「分からない」とだけ、答えておいた。
 まあ、ボク自身なぜ手元にロストロギアがあるのか、全くわからないのだから、嘘ではないはずだ。
 転生しました、と正直に答えても、可哀想な子扱いされるだけだろう。
 それに、本当に転生かどうかもまだ分からない。


 ――――問題は、どうやって「夜天の書」を説明するかである。


 なぜなら、ここは、ロストロギアという概念すら存在しない世界だからだ。
 「異世界から来た」なんて、馬鹿正直に答えても――言動の真偽に関わらず――ボクたちの状況は、悪化したに違いない。
 強力な力を有しているのならば、なおさらである。
 うかつに情報を公開するべきではない。


 とりあえず、有無を言わさずに、その場では、守護騎士たちに、記憶喪失を装ってもらった。
 サーゼクス・ルシファーが現れてから、自己紹介までの前の短い時間で、頼めたのは、本当に幸運だったと思う。
 というのも、リインフォース――――名前がないと申告されたので、後で原作通りに名付けた――――に尋ねたところ、転生機能によって、見知らぬ次元世界へ転移してきただけだ。と、彼女たちは、認識していたからである。
 

 したがって、話をややこしくする前に、ボクに話を合わせるように、念話で頼んだ。
 そう。都合のいいことに、念話は、すぐに使えるようになったのだ。
 リアルタイムで、堂々とバレずに打ち合わせができたのは、僥倖だった。
 どうにか、平静と取り繕うことができたおかげで、その場での追及は、避けられたようだ。
 もちろん、不審な点は多かっただろうが、疑問を後まわしにしてくれた。


 ――――おかげで、カバーストーリーをでっちあげる時間を得られた。


 本当に運が良かったと思う。当時のボクを賞賛してやりたい。
 ボクの機転は、結果的に大正解だった。
 魔王たちは、夜天の書を、「いままで確認されていなかった珍しい神器」であり、「少々強力な力」をもっている。
 と、誤解してくれたからだ。


 むろん、怪しい点は大量にあった。


 未知の神器。
 規格外の力。
 神器にもかかわらず感じる魔力。
 強力な魔力を有する稀有な人間などなど。


 どうやら、親が悪魔に殺された幼い少女ということで、見逃してくれたようだった。
 敵対する可能性が低かったのも一因としてあるだろう。
 悪魔陣営の領地に住む以上、監視
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