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ソードアート・オンライン〜剣の世界の魔法使い〜
第T章:剣の世界の魔法使い
《魔法》
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 シェリーナが目をあけると、明るい光が目を刺した。眩んだ視界を元に戻すべく、何度か眼をぱちぱちさせると、周りの様子が見えてくる。シェリーナは、どうやら長テーブルの上に仰臥していたようだった。あたりを見渡すと、木々の葉が日の光を反射して、明るくあたりを照らしていた。どうやら《エネマリア》でそのまま眠ってしまったようだった。

 ふと肩の上にわずかな重みを感じて、それを見ると、そこには赤銅色の魔導服(ウィザードローブ)がかけられていた。ドレイクのふだん着ている魔導服(ウィザードローブ)だ。ということは、今彼はローブを羽織っていないことになる。現実世界の季節を比較的投影しやすい構造になっているアインクラッド第七十四層の空気は、極寒とは言わずともかなり肌寒い。アインクラッドには《風邪》のバッドステータスはないが、ドレイクが寒い思いをしているのではないかと心配になってしまったのだ。

「大変!返さなくちゃ……」

 シェリーナはあたりを見回した。しかし、見える範囲には酔いつぶれていまだに寝転がったままの《エネマリア》の住民達(NPCモンスター)だけ。黒龍王もいまだにその巨体…とは言っても二メートルくらいだが…を倒して熟睡しているが、ドレイクの姿は見当たらない。

 シェリーナは視界右端に、簡易マップが表示されていないことに気が付いた。そういえば、アインクラッド第三層を始めとする《索敵ジャミング属性》を持ったステージがこの世界にはいくつか存在する。それと似たようなものなのだろうか、と一瞬思ってから、シェリーナは否と思い直した。

 そもそも、データに記録されていないのだ。《エネマリア》が存在するのはプレイヤーが立ち入ることを禁止されている《不可侵エリア》。シェリーナは住民たちの特別な許可を得てここに入っているわけであって、本来ならば立ち入ることは出来無いのだ。そもそも、スキルを必要とする存在(プレイヤー)が居ないため、スキルに対応する必要がないのだ。

 シェリーナは索敵スキルも機能しないことを確かめると、道しるべなしでドレイクを見つけるべく彷徨い始めた。思えば、《エネマリア》の中を一人で散策するのは初めてだ。普通のプレイヤーは立ち入ることを許されない、《不可侵エリア》を歩くことができるという不思議な快感がシェリーナの心を満たす。

 《エネマリア》の領域は、基本的に外――――《仄暗き森》と似通っていた。しかし、最大の相違点は、『仄暗くない』というところだ。《仄暗き森》では木々が空を天蓋の様に覆っていたが、《エネマリア》にはそれがない。朝の太陽光がきちんと降り注いでいる。――――太陽が空に無いのにどうやって太陽光が降り注いでいるのかは不明だが。

 シェリーナが歩いているのは、木々が曲がってゲートのようになっている道だ。地面は岩で
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