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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
Last Fight
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を瞬く間に沸騰させた。

『ホザクナ、クソガキガアアアアアアァッッ!!』

咆哮と同時、大気が引き裂かれる。

虚無の波動をたたえる左手、瘴気を纏う右手の細剣(レイピア)

致死量を遥か彼方に置き去りにした二つの暴虐が、黒衣の影妖精(スプリガン)に迫る。

対するキリトは、その状況になってさえもまだ表情を変えることはなかった。咄嗟に飛び出しかけたレンを視線だけで制し、ゆらりと動いた。

下げていた左手を前にし、右手の剣を肩に担ぐように後ろに構える。漆黒の刀身に、鮮血のような真紅の過剰光(オーバーレイ)がみるまに集まりだした。

途端、異常な重力子反応がキリトの身体を中心に吹き荒れ始め、小規模な竜巻嵐(トルネード)のように攪拌され始める。

キイイイィィィーンンン、という飛行機のジェットエンジン音にも似た高周波が辺り一帯に撒き散らされる。

神の領域にまで加速された感覚器官で、レンは両者の激突の瞬間を見ていた。

まるでハサミでも閉じるかのように、左右から閉じられる二つの黒き斬撃。徐々に近づく両者の顔が限界まで引き付けられた時、剣士が動き出した。

紅い過剰光と高周波の音を、限界まで引き絞り、その溜め込んだ全エネルギーを放出する。

奪命撃(ヴォーパル・ストライク)ウウゥアアアアアァァァァァァッッッッ!!!!!!』

それまで身に纏っていた、穏やかなオーラが嘘のような叫び声と同時、天と地が丸ごと引っくり返るがごとき轟音が暗闇全てを引き裂いた。

一人の剣士が放った真紅の一撃は、二つの致死の斬撃を弾き飛ばし、貫いた。

しかし、その一撃が貫いたのは少女の身体ではない。

その背後。

瘴気のように立ち昇っていた、アスナの身体に纏わりついていた漆黒の過剰光だった。

衝撃は、起きなかった。

ただ、何かを貫いたという手応えだけが、砕けんばかりに握りしめた柄を通して伝わってきた。

直後────



『ギィエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
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