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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
Last Fight
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すると、どうしても致死の攻撃の手が止まってしまう。止まってしまうとは言っても、それは百万分の一秒が千分の一秒になるような、そんな速度域下の話である。

しかしこの戦闘下では、その違いは相手に攻撃の手を許すことになってしまう。

それは致命的なものだった。

───どうすれば…………

ギリ、と歯を食いしばった時、人外に昇華されている知覚範域の中に一つの反応が知覚できた。

カグラだろうか、と幾億の剣戟を交わしながら胸中で呟く。しかし、この反応から光の光量として感ぜられる強さは強すぎる。

例えるのならば、この暗闇全てを照らし出す太陽のような。

例えるのならば、この空間にわだかまる闇を切り裂く恒星のような。

一瞬眼を合わせ、《化け物》と《鬼》は鋭く距離を取った。ぶつかり合う殺意のみで、間の暗闇にスパークが飛び散った。

同時に、眼球ではない部位で、突如割り込んできた存在を《視た》。

この空間はまさに虚空。真っ暗闇の先は、初めは全く何も見えなかったが、やがてそこからじわりと闇が滲み出すような動作で一つの人影が現れた。

漆黒のコートを風になびかせながら歩を進める、ツンツン頭の影妖精(スプリガン)

その両手には、純白と漆黒の神装が握られていた。

光の塊で形成されたかのような、愚直な片手直剣。

「悪いレン。遅れた」

そんな、軽すぎる言葉とともに、黒衣の剣士は手に持った二つの剣を素振りでもするかのように、左右に斬り払った。だが、それは空間をいとも容易く薙ぎ払い、突っ立っているレンの脇をすり抜けて背後にいた狂楽にブチ当たった。

『────────ッッッッ!!!!』

飛んだその残撃は、咄嗟に交差した両腕を引き裂き、そして胴体にも潜り込んだ。

轟音とともに数百メートルも吹き飛ばされた《鬼》は、空中で制動を掛けて止まった。咳き込むような、水っぽい音が木霊のようにどこまでも広がっていく。

《鬼》も、《化け物》すらも停滞した時間と空間の中、《黒の剣士》と呼ばれた少年は腰を落とし、左足を前に半身に構え、左右の剣の先はひょっとすると本来あるはずの床すらも貫通していそうなほどに下げた。

そんな、既存のいかような型にも当てはまらない構えを取りつつ、《黒の剣士》キリトは────

「アスナ、君を殺しに来たよ」

穏やかに宣言した。










『僕をォ、殺す……だァ?』

ビキリ、と絶対にヤってはいけないところがブチ切れたような音が、たおやかな少女の額から聞こえるという、なかなかにアナーキーな状況にもキリトの表情は揺るがなかった。

死地の中にいる人間のそれとは、とてもじゃないが思えないほどの穏やかな顔。

それが逆に、《鬼》のプライド
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