―黒幕との邂逅―
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」
マルタンの中の怪物が冗談めかしてそんなことを言うが、例え嘘だろうと可能性があるのなら、ここで退けはしない。
「上等だ……!」
「遊矢!」
俺も同じくデュエルディスクを展開すると、背後から明日香の呼ぶ声が俺を引き止める。彼女もまたデュエルディスクを展開し、いつでもデュエルが出来る準備が完了していた。
「……私がやるわ。あなたはデス・デュエルの疲れが取れていないでしょう?」
「いや、それは認めないよ。遊矢先輩にデュエルしてもらわなくちゃいけないからね」
明日香のありがたい申し出に、マルタンの中の怪物から警告が届く。確かにデス・デュエルの疲労が俺にはあるが、申し出を蹴ってあの怪物から逃げるわけにはいかない。
……いや、逃げるにしてもタイミングを計る必要がある。
「……俺がコブラに勝った後、俺の体力が無かったらあの怪物の相手を頼む。……それか逃げろよ、明日香」
「遊矢……!」
最後の言葉を小声で付け足しながら、明日香の心配そうな声を背後に、デュエルディスク展開する。意識がないとはいえ、先程の万丈目も普段と変わらない実力を発揮していたことを考えると、プロフェッサー・コブラも例外ではないだろう。
『デュエル!』
遊矢LP4000
コブラLP4000
「俺の先攻、ドロー!」
先攻を示したデュエルディスクに従ってカードをドローすると、あまり攻めることには適さない手札を眺める。十代から聞いた話からすれば、守備に回っていればジリ貧になるということだが……
「俺は《ガントレット・ウォリアー》を守備表示で召喚」
ガントレット・ウォリアー
ATK400
DEF1600
巨大な腕甲を構えた機械戦士、ガントレット・ウォリアーが召喚されて守備の態勢を取る。まずは様子見といったところか、このターンでするべきことはこの程度だ。
「カードを一枚伏せて、ターンエンド」
「私のターン、ドロー……」
意識が朦朧としていながらも、デュエルコートからカードを抜き取る。まずは何が来るのか、と思った次なる瞬間に、俺たちがいる部屋は毒蛇が棲む沼地へと姿を変えていた。
「フィールド魔法《ヴェノム・スワンプ》を発動……」
プロフェッサー・コブラのデッキ【ヴェノム】のキーカード、フィールド魔法《ヴェノム・スワンプ》が適応される。エンドフェイズ時にカウンターを一つ乗せ、カウンター一つごとに攻撃力を500ポイントダウンさせる上に、モンスターの攻撃力が0になった瞬間に破壊する……まさしく毒の沼地。
攻撃力が400のガントレット・ウォリアーは、最低でもこのターンのエンドフェイズに破壊されることが確定し――
「……ッ!?」
――沼地から飛びか
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