暁 〜小説投稿サイト〜
“死なない”では無く“死ねない”男
話数その14 当たり前がない
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
し……思いついた事無駄になるが、別にかまわね―――」
「前言撤回! イッセーと小猫について行きなさい!!」
「……え〜…?」
「でないと約束の件、反故にするわよ!?」
「……はいはい…分かりやしたよ〜…」


 渋々と言った感じでようやく晋も駈け出して行く。 グレモリーは、晋の扱い辛さに改めてため息を吐くのだった。












「……で、こっちに来たんですか」
「好きに行動していいって言われて、その答えが“動かない”って……前代未聞じゃねぇか」
「……そうか……?」


 こそこそと、晋と兵藤と塔城は話す。
 今三人が居る場所は、体育館のステージ袖の裏であり、此処でフェニックス達を待ち伏せしているのだ。

 しかし、幾ら待てども一向に姿を現さない。


「……イッセー先輩、灰原さん、敵の気配です」


 塔城の一言と共に、体育館の電灯が一斉についていく。どうやら、向こうは彼らよりも早く待ち伏せをしていたらしい。大方隠れている場所が遠すぎて奇襲出来ず、姿を現したのだろう。


「そこにいるのは分かっているわ! グレモリーの下僕達!」
(……俺は違ぇよ……)


 聞こえてくる女の子の声に(晋がどうでもいい突っ込みを入れつつ)、三人はやむを得ず姿を現す。
 そこに居たのは、4人の女の子……棍を持っているのが一人、とチャイナ服を着ているのが一人、そして体操着姿の双子だった。

「ミラよ、属性は『兵士』」
「私は『戦車』の雪蘭」
「『兵士』のイルで〜す!」
「同じくネルで〜す♪」
「……塔城小猫、『戦車』」
「俺は『兵士』の兵藤一誠だ!」
「……灰原晋。唯の巻き込まれだ……」


 それぞれに名乗りを上げ、武器を構える。 兵藤は真っ赤な籠手を出現させ、塔城は拳を前に出し、晋は薄く光るメイスと鉈を持ったまま手を下げた。


「……『戦車』は私がやります、イッセー先輩と灰原さんは『兵士』をお願いします」
「灰原、俺はあの棍の子にリベンジしたい……きついと思うが、双子を頼む!」
「……へ〜い……」
「緊張感を持てよ!?」


 本当に緊張感の無いやり取りの後、兵藤と塔城はそれぞれの敵に向かっていく。晋は兵藤に言われたとおり、イルとネルの双子を相手する為に前に立った。


「うわ〜…お兄さん顔怖いねぇ〜♪」
「しかも顔色悪いね〜、死人みたいだよ?」
「……やかまし」
「しかも弱い人間なんてね〜、運ないね!」
「……あ?」


 イルとネルは好きな人にはたまらない、小悪魔的な笑みを浮かべた後、バッグにから大きめのチェーンソーを取り出してエンジンをかけ、刃を回転させる。


「それじゃ、ライザー様のために〜
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ