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TOKYO CONNECTION
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その前に何処か寄っていけたらいいのだけれど」
「何処に?」
 俺は尋ねた。
「お腹すいたし。スパゲティでも食べない?」
「スパゲティか」
「道玄坂ならいいお店知っているし。どうかしら」
「じゃあまずそこに行く?」
「ええ」
 彼女はそれに頷いた。
「お酒は飲まなかったらいいし。それでいいんじゃないかしら」
「じゃあそうしようか」
 俺としても断る理由はない。それでいいと思い頷いた。
「行くよ」
「ええ」
 俺は信号が変わるとアクセルを踏んで脇道に入った。そして道玄坂へ向かった。そのまま彼女の言うイタリアン=レストランへ向かった。道は彼女が案内してくれた。
「ここよ」
 店に着くと彼女は笑顔で俺に顔を向けてきた。窓にはその横顔が映る。
「どう、いいお店でしょ」
「まあね」
 外見は洒落ている。如何にもイタリアという感じだ。だがそれはイタリアン=レストランなら当然だし俺はそれについては特に何も思わなかった。彼女には秘密だったが。
「ここは前にも行ったわよね」
「いいや」
 それには首を横に振った。道玄坂には何回も行ったことがあるがこんな店ははじめてだった。
「ここに来たことなんてないけれど」
「あら、そうだったかしら」
 彼女はそれを聞いて不思議そうな顔をした。
「前にも一緒に来たと思ったんだけれど」
「覚えてないよ」
「私の記憶違いだったかしら。御免ね」
「いいよ」
 あっさりとそう受け流していたが実際のことはわかっていた。俺の前の彼氏とでも一緒に来たのだろう。若しかすると今の俺以外の男かも知れない。だがそれについてもやはり言えなかった。
(チッ)
 心の中で舌打ちした。唾を吐きたくなったがそれはしなかった。彼女に今の俺の気持ちを悟られるわけにはいかなかったからだ。ここは抑えた。
「入りましょう」
 彼女は俺の本心を知ってか知らずか涼しい顔でそう声をかけてきた。
「ここのパスタ美味しいんだから」
「うん」
 俺はそれに頷いた。そして店に入った。
 店の中も外と同じく洒落た感じであった。だがやはり東京なら何処にでもある感じの店に思えた。
「何処に座る?」
「そうね」
 彼女は俺にそう言われ考え込んだ。だがそこにウェイターがやって来た。蝶ネクタイをした小粋な感じのする若い男だった。
「御客様、こちらが空いておりますが」
 ウェイターはそう言って俺達を窓に近い席に案内した。俺達はそこに座った。外はまだ雨が降っていた。
「止まないわね」
 彼女は注文を終えた後窓の外を見ながらうんざりしたような顔でそう言った。
「夜の雨は中々止まないっていうけれどいきなり降りだしてこれなんだから。嫌になる
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