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“死なない”では無く“死ねない”男
話数その10 入らない
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「部長、会長。彼を連れてきました」
「……入って頂戴」
「分かりました」


 そういってドアを開け、中に入っていったイケメン男子生徒に続く形で晋も入る。


「……う〜っす、くぁぁ……」


 礼一つせず、敬意も払わず、挙句の果てには部屋の中の人を見ず欠伸をしながら入っていく……人として最悪な入り方である。尤も最終的に自分が決めたとはいえ、晋は嫌々此処に来たのだからそういう反応なのかもしれない……とはいえ限度があるし、元からではないかと言う事も拭えないが。


「……何だよこいつ」


 その余りの態度に、黒髪の男子生徒は文句を言う。それが聞こえたのかどうかは分からないが、晋は特に何の反応もせず、置いてあった一人用のソファーにドカッとも、トサッとも違う曖昧な感じで座り込んだ。 そして、徐に話し始める。


「……んで、なんで生徒会じゃない奴が俺を迎えに来たんだ?」
「それを言う前に、まずあなたの事を教えてほしいのだけれど?」


 そう晋へと問いかけたのは、同席していたグレモリーであった。見ると、彼女の下僕らしき人物達も見える。
 晋は、こいつら見た事あるな〜……と思いだそうとし、そしてある事を口にした。


「あ〜……思い出した。お前、あん時の無駄乳じゃねか…」
「む、無駄乳っ!?」


 いきなりトンデモない呼び方で呼ばれたグレモリーは、顔を赤くして立ち上がる。何故か傍に居る黒髪の男子生徒も。


「何なのよその呼び方は!?」
「そうだ、部長のおっぱいは無駄なんかじゃない!! むしろ、思考の一品……嫌! もはや偉大なる宝物と言っても過言じゃない!!」
「……赤ん坊に乳与えるだけの器官なんだから、でかくたって無駄なだけだろうが……あと黒髪、お前の言ってる事は意味不明だ……わりと本気で」
「なんだとぉ!?」
「……そこらへんにしておいてくださいリアス、兵藤君、本題はそこじゃないでしょう? 晋君も、配慮にかける言葉を口にしないでください」

 空気的に再現のない言い合いに発展しそうな事を悟ったのか、支取が双方―――というかグレモリーと眷属の男子を落ち着かせ、話を本題へと持ち込む。


 「灰原晋君、私達から聞きたい事は二つです……一つ、貴方は何者なのか。二つ、貴方の目的は何なのか」
「前者、駒王学園二年生。後者、静かに過ごす事」


 支取の発言から数秒の間すら置かず、晋は答える。グレモリーは、その答えに反論した。


「あなた……ふざけているの?」
「……大真面目だ。……前者の答えが足りないって言うなら“不死身”も付け加えるけどな……」
「信じられないわ、そして信用ならない」
「……あら、そ…」


 適等な晋の返事に、部屋に居た者達は不快
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