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“死なない”では無く“死ねない”男
話数その9 答えない
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「……本当に癖、直さないとなぁ……で、どうすんだ?」

 何時の間にやら別の服に着替えていた晋は、周りで眼を丸くしている支取達に、またもや場の状況とは全く関係ない事を質問した。 勿論支取達は、そんな質問に答えられずに驚いたままだ。死んでいた人間が生きていて、しかも物凄く関係ない事を質問されたら当たり前にこうなるだろう。


「……お〜い、生きてるか〜ぁ?」


 空気が読めないのか読まないのか分からない男が支取の前で手を振った事で、やっと彼女等は復活した。


「灰原晋君……あなた、死んだ筈では……?」
「あ〜……だな。この犬お化けに食われて真っ二つんなった……」
「先程まで……死体がここに……」
「……あったな。まぁ、俺なんだが……」


普段と変わらぬ血色の悪いダルそうな顔のまま、晋は別段特別な事でも無いかように話す。支取は一度下を見、呟く。


「―――んで」
「ん? 何、会長さん?」
「何で……何で生きているんですか!?」
「……生きていちゃ悪いですか?」
「真面目に答えてください!!」
「知らん―――これが答えな」
「私は真面目に答えてくださいと―――」
「……マジのマジで大マジだ、知らんもんは知らん」


 そう言う晋の表情は、……やっぱり何処かダルそうでふざけているように見えるので、いまいち信憑性に欠ける。


「……同じ学校の生徒ですから、貴方を危険分子とみなして拘束したくありません。もう一度言います、真面目に答えてください」
「……はぁ」


 晋はため息をついた。とうとう観念したか……と思いきや、何処からともなく刃物を取り出して自分の首を躊躇なく切り裂き、その頭にグレネードを落として爆散させてしまった。
 周りに木端微塵になった脳髄や骨、木端微塵になり切れなかった肉などが飛び散り、悲惨な状況になっている。


「な!?」


 支取達は再び、驚きに目を見開く。しかしその驚きの対象は、いきなり自分の頭を吹き飛ばした事……だけでは無かった。


「……ダルいけどもう一度言う……こんな風になる理由なんざ、俺も知らん……」


 その理由とは、何時の間にやら晋の頭が元通りになっている事だった。頭が落ち、爆散した事がまるで無かったかのように。 ちなみに復活する様子は、物凄いスピード且つ物凄いグロテスクだったとだけ言っておく。


「うぷっ……!」


 生徒会唯一の男子生徒は吐きそうになっており、周りの女子生徒達の中には本当にはいている者も居た。


 「……支取会長、あんたがいくら納得し無かろうと、俺が言える事は“知らん”て事だけだ。……それとも何か?“俺は悪の科学者に作られた人工生命体で、貴様等の敵だ覚悟しろ”とでも言えばあんた
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